3つのポリシー
岐阜大学医学部看護学科における3つの方針
卒業認定・学位授与の方針（ディプロマ・ポリシー）
岐阜大学医学部看護学科では，岐阜大学で育成していく基盤的能力を基礎として，以下のような能力を備えた人材育成に向けて，能力の修得・達成を保証するために，厳格な単位，卒業認定を行います。
- 倫理性：人の尊厳と、生命を尊重し倫理性に基づいて行動できる能力
- 対象理解：深い教養に基づき広く世界に関心を持ち、多様な文化的背景を持つ人を生活者として理解する能力
- 看護実践力：看護の対象の健康課題に対し科学的根拠に基づいた質の高い看護が実践できる能力
- 協働・調整・リーダーシップ：保健医療福祉チームの一員として、看護および他職種の役割を理解し、協働・調整し、リーダーシップを発揮する能力
- 探究・創造・革新：看護上の課題を探究し看護を創造革新するための基礎的な研究能力
- 専門職意識：看護専門職として自覚を持ちグローカルな視点で目標にむかって自己研鑽できる能力
医学部看護学科専門的能力の内容と水準
| 内容 | 水準 |
|---|---|
| 1.人の尊厳と、生命を尊重する姿勢に基づいた倫理的配慮ができる能力 | 看護の対象である人間の尊厳及び人権の意味を理解し、擁護に向けた行動をとることができる |
| 実施する看護について説明し同意を得ることができる | |
| 2.人間・環境・健康・看護に興味・関心を持ち、多様な考え方や文化的背景を持つ人々の特徴を理解する能力 | 人間や健康を総合的にとらえ説明できる |
| 成長発達に応じた身体的な変化，認知や感情，心理社会的変化を理解したうえで，看護の対象の健康状態をアセスメントできる | |
| 個人と家族の生活をアセスメントできる | |
| 地域の特性と健康課題をアセスメントする方法について説明できる | |
| グローバリゼーション・国際化の動向における看護の在り方について理解できる | |
| 3.看護を必要としている個人・家族・地域社会に対して、対象に応じた看護が実践できる能力 | 看護の対象となる人々と援助的なコミュニケーションを展開し、援助関係を形成できる |
| 根拠に基づいた看護を提供できる | |
| 計画的に看護を展開できる | |
| ※（再揭）成長発達に応じて、健康レベルをアセスメントできる | |
| 看護援助技術を適切に実施できる | |
| 健康の保持増進と疾病を予防する方法について説明できる | |
| 急激な健康破綻と回復過程にある看護の対象を援助する方法について説明できる | |
| 慢性疾患及び慢性的な健康問題を有する看護の対象を援助する方法について説明できる | |
| 終末期にある看護の対象を援助する方法について説明できる | |
| 感染防止対策、医療事故防止対策について理解し，そのために必要な行動をとることができる | |
| 4.変化する保健・医療・福祉システムの中で、チーム医療を担う一員として、他職種の役割を理解し、協働的関係を築き調整する能力 | 健康増進に関連する政策と保健活動について説明できる |
| 慢性的な健康課題を有する患者と家族が地域で生活できるよう，社会資源の活用方法について説明できる | |
| 保健医療福祉における看護の機能と看護ケアを改善する取り組みについて理解できる | |
| 地域ケアの構築と看護機能の充実を図る方法について説明できる | |
| 安全なケアをチームとして組織的に提供する意義について説明できる | |
| 保健医療福祉における協働と連携について説明できる | |
| 社会の動向を踏まえて看護を発展させていくことの重要性について説明できる | |
| 5.看護専門職として、将来的な展望を持ち、自らを振り返りながら研鑽する態度や、自律的に行動する能力 | 看護実践において，理論的知識や先行研究の成果を探索し活用できる |
| 専門職として生涯にわたり学習し続け，成長していくために自己を評価し管理していく重要性について説明できる | |
| 看護専門職としての価値と専門性を発展させる能力 |
教育課程編成・実施の方針（カリキュラム・ポリシー）
カリキュラムは、入学時から卒業後まで一貫性・整合性をもった教育体制をとることにより、看護に関して初学者である学生が段階的にディプロマポリーの５つの能力を修得して いくための教育プログラムです。
- 主体的で自律的な姿勢を尊び、人々の生活背景、社会･文化的背景に視点を向け、看護 を必要とする人々を生活者として捉え人間性豊かな、そして根拠ある看護実践を展開する能力が習得できるよう教養教育、専門基礎科目、専門科目の３群からなる教育課程の編成としています。
- 看護を、「人間の健康に焦点を当て、その人とその人を取り巻く環境に働きかけ、人間が健康に生き、安らかな死を迎え、さらに健全な次世代の育成を援助する実践である」と捉え、看護実践の基盤となる専門基礎科目から看護実践に関する専門科目への積み上げによる配置としています。
- 多様な場で様々なライフサイクルにある人々との交流から、生活者としての価値観、生活習慣、健康の考え方を知り、グローカルな視点で看護の役割を考えます。学年を横断して取り組む学習を取り入れ、上位学年のリーダーシップ能力を磨きます。
- 講義・演習・実習において、看護専門職として多様な価値観を持ち総合的な判断ができる能力、他職種と協働して活動ができるようコミュニケーション能力、リーダーシップ、コーディネーターの役割が担える能力の向上を意図としたアクティブラーニングを取り入れる工夫をしています。また、主体的で自律的に何事にも取り組める姿勢や自己 研鑽する態度を推進していきます。
学修成果の評価については、全学的な申し合わせ及び各科目のシラバスに記載された成績評価項目等に基づき、授業目標への達成度により評価を行います。
入学者受入れの方針（アドミッション・ポリシー）
看護学科は、看護学をはじめ保健・医療・福祉の各分野に貢献できる人間性豊かで倫理観に富む資質の高い看護の専門職を養成するとともに、看護学の教育研究の推進も目指します。 少子高齢社会の到来や疾病構造の変化など、保健・医療・福祉分野が担う役割は複雑化、高度化しています。さらに活躍の場は医療施設にとどまらず、地域へと拡大しています。看護学科では、保健・医療・福祉に関する深い関心を持った学生を求めています。以下のような資質が必要となります。
求める学生像
- 看護学の修得に必要かつ十分な基礎的な知識・技能及び教養を持っている人。
- 身につけている知識・教養をもとに多角的に物事をとらえ、論理的に思考し、判断ができる能力を持っている人。
- 高い倫理観に支えられ、自分を律する能力を持っている人。
- 他者の意見や気持ちを理解できるように努め、自己の考えを的確に表現し、伝える能力を持っている人。
- 看護をはじめさまざまな学問分野に興味・関心を持ち、真実を知ろうという科学的探求心に富み、自己学習意欲が旺盛である人。
- 他者の意見を傾聴し、相手を尊重しながら互いに協力して学ぶことができる人。
- 自己、周囲の変化に応じて対応できる能力を持っている人。
- 自己の心身の健康に留意し行動できる力を持っている人。
入学者選抜の基本方針
前期日程試験
大学入学共通テストと個別学力検査により、アドミッション・ポリシーに沿った求める学生像のうち、大学入学共通テストでは"看護学の修得に必要な基礎的な知識・技能及び教養"及び"身につけている知識・教養をもとに多角的に物事をとらえ、論理的に思考し、判断ができる能力"を、個別学力検査ではさらに"他者の意見や気持ちを理解できるように努め、自己の考えを的確に表現し、伝える能力"についても評価します。配点は、入学者選抜に関する要項を参照ください。
後期日程試験
大学入学共通テスト・小論文・面接により、アドミッション・ポリシーに沿った求める学生像のうち、大学入学共通テストでは"看護学の修得に必要な基礎的な知識・技能及び教養" 及び"身につけている知識・教養をもとに多角的に物事をとらえ、論理的に思考し、判断ができる能力"を、小論文と面接ではさらに"他者の意見や気持ちを理解できるように努め、自己の考えを的確に表現し、伝える能力"及び"看護をはじめさまざまな学問分野への興味関心、真実を知ろうという科学的探究心及び自己学習意欲"、"他者の意見を傾聴し、相手を尊重しながら互いに協力して学ぶ力"、"自己の心身の健康に留意し行動できる力"についても評価します。配点は、入学者選抜に関する要項を参照ください。
学校推薦型選抜Ⅰ
推薦書、志望理由書、調査書、小論文及び面接によりアドミッション・ポリシーに沿った求める学生像のうち"看護をはじめさまざまな学問分野に対する興味・関心、真実を知ろうという科学的探究心、自己学習意欲"及び"他者の意見を傾聴し、相手を尊重しながら互いに協力して学ぶ力"を、小論文及び面接ではさらに"身につけている知識・教養をもとに多角的に物事をとらえ、論理的に思考し、判断ができる能力"、"他者の意見や気持ちを理解できるように努め、自己の考えを的確に表現し、伝える能力"を、加えて推薦書、志望理由書、調査書により"看護学の修得に必要な基礎的な知識・技能及び教養"、"自己の心身の健康に留意し行動できる力"について評価します。配点は、学生募集要項を参照ください。
社会人選抜
社会人経験者を対象に、志望理由書、履歴書、小論文及び面接により、アドミッション・ポリシーに沿った求める学生像のうち"身につけている知識・教養をもとに多角的に物事をとらえ、論理的に思考し、判断ができる能力"、"他者の意見や気持ちを理解できるように努め、自己の考えを的確に表現し、伝える能力"、"看護をはじめさまざまな学問分野に対する興味・関心、真実を知ろうという科学的探究心、自己学習意欲"、"他者の意見を傾聴し、相手を尊重しながら互いに協力して学ぶ力"、"自己の心身の健康に留意し行動できる力"について評価します。配点は、学生募集要項を参照ください。