コラム

脊髄小脳変性症

2018.03.19

多系統萎縮症における臨床倫理学的議論の必要性@日本臨床倫理学会第6回年次大会(東京)

上記学会において標題の発表をいたしました.多系統萎縮症(MSA)は日本で最も頻度の高い脊髄小脳変性症です.MSAでは告知や治療に関する意思決定の問題があるにもかかわらず,臨床倫理学的な議論が活発に行われてきた筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは対照的に,その議論がほとんど行われて来ませんでした.原因として,突然死リスクの告知という疾患特有の問題があることや,治療介入時の意思表示能力の低下,マスコミの注目の低さが関与しているものと考えられました.医療従事者は,MSAでは意思表出が困難な患者さんの苦痛に思い至らない可能性や,患者さん・ご家族からの問題提起がなされにくい可能性があることを認識し,積極的に臨床倫理的な議論を行う必要があることを提示しました.下記slideshareをご覧ください.

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