パーキンソン症候群
2023.10.15
このジスキネジアに対する抗パーキンソン病薬の減量は正しいか?
ジスキネジアは,レボドパ治療を受けているパーキンソン病によく認められる運動合併症です.血中濃度がピークに達した時に出現しますが(peak dose dyskinesia),二相性(投与開始時・投与終了時)に出現する場合もあります(diphasic dyskinesia).では動画のジスキネジアは一相性(一峰性)に生じているのですが,抗パーキンソン病薬は減量でよいでしょうか?
答えはアポモルフィン皮下注が即効しているので「diphasic dyskinesiaが一相性に生じている」と考えます.コメント欄の図はレボドパの治療域とジスキネジアの関係を示したものですが,この中のdose Cになります.すべての症例をpeak dose dyskinesiaと即断し,抗パーキンソン病薬を減量する(またはアマンタジンを考慮する)のではなく,なかには増量すべき症例も存在することを頭の片隅に置いておく必要があります.
Verhagen Metman L, Espay AJ. Teaching Video NeuroImages: The underrecognized diphasic dyskinesia of Parkinson disease. Neurology. 2017;89:e83-e84. (doi.org/10.1212/WNL.0000000000004238)