パーキンソン症候群
2023.03.30
ドラマーのジストニア
本日の抄読会でみんなに見ていただいたドラム奏者のジストニアです.米国から12例の症例集積研究からの動画です.ピアノや弦楽器,金管楽器と比較するとドラムでの報告は稀です.全員が男性で,最終的にドラム演奏以外の作業にもジストニアが出現しています.薬物療法は効果がなく,ボツリヌス毒素注射は3例で有効でした(ただし1例で脱力).ジストニアに注目すると,10/12例が指,8/12例が手首にジストニアを認め,手首より遠位に限局します.動画を見ると,動作特異的で,手首の向きを変えたら改善したり,指にバンドを巻くなどで改善したりしています(感覚トリック).ゆっくり叩いてもらって振戦を出現させたり,動画をスロー再生することで異常な肢位を見出したり,診察の工夫もみられ参考になります.
なぜこのように楽器がうまく弾けなくなるのか,そのメカニズムを検討したのが抄読会の動画になります.宜しければご覧ください.
Bledsoe IO, et al. Twelve Drummers Drumming… With Dystonia. Tremor Other Hyperkinet Mov (N Y). 2021 Feb 8;11:6.(doi.org/10.5334/tohm.577) 動画はフリー