パーキンソン症候群
2022.03.30
自己免疫性GFAPアストロサイトパチーでは高頻度に運動異常症(運動失調,振戦,ミオクローヌス)を呈する
自己免疫性GFAPアストロサイトパチー(GFAP-A)は,脊髄炎を合併しうる自己免疫性ステロイド反応性髄膜脳炎のひとつです.GFAP-Aでは運動異常症を呈することが報告されていますが,その頻度や特徴は十分に明らかにされていません.当科の木村暁夫先生らは,岐阜大学医学部附属病院で経験したGFAP-A患者,連続87名を後方視的に検討しました.具体的には運動異常症を認める患者と認めない患者の背景,臨床的特徴,脳脊髄液・画像所見を比較しました.74名(85%)が運動異常症を呈し,その頻度は多い順に運動失調(49%),振戦(45%),ミオクローヌス(37%),筋強剛(2%),ジスキネジア(2%),オプソクローヌス(2%),ミオキミア(1%),コレオアテトーシス(1%)でした.運動異常症を認めるGFAP-A患者は,認めない患者よりも有意に高齢でした.以上より,GFAP-Aでは運動異常症を高頻度に合併することが示されました.本症はステロイドが有効で,再発も通常見られないことから,急性・亜急性に出現した運動失調,振戦,ミオクローヌスでは本症を疑い,脳脊髄液検査および頭部MRIでの特徴的な放射状造影所見を確認し,早期診断・早期治療することが重要と考えられます.
Kimura A, Takekoshi A, Shimohata T. Characteristics of Movement Disorders in Patients with Autoimmune GFAP Astrocytopathy. Brain Sci. 2022, 12(4), 462 https://bit.ly/3qKsoJL
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