コラム

パーキンソン症候群

2021.12.15

Afternoon Tea Hemichorea

78歳の英国人女性が,友人とアフタヌーンティーを楽しんでいるとき,突然,動画のような右半身の不随意運動を呈しました.右上下肢のヘミコレア(片側性舞踏運動)でした.頭部MRIでは左淡蒼球の梗塞を認めました.テトラベナジンが有効で,4週間後には中止できました.脳卒中急性期における運動過多は1%とまれですが,後外側被殻と機能的に結合している部位の病変が運動過多に関与すると考えられています.鑑別診断としては高血糖,低ナトリウム血症,薬剤によるコレアを考える必要があります.
この論文を読んで思ったことは2つあります.ひとつは突然発症のヘミコレアを見た場合,脳卒中の可能性をかならず考えて再灌流療法の機会を逃さないこと,もうひとつは標題のような魅力的なタイトルを付けると採択される可能性が上がるということです(笑).よく考えると午後のお茶と発症に関係はないのですが,おやっ何だろう?と思って読んでしまいますよね.
Neurol Clin Pract. Dec 2021; 11 (6).(doi.org/10.1212/CPJ.0000000000001048
動画はアクセスフリーです.

 

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