パーキンソン症候群
2021.09.08
Globular glial tauopathy(GGT)のMRI所見
GGTは2013年に疾患概念が提唱された新たな4リピート・タウオパチーです.病理学的にはグリア細胞内の小球状(globular)のリン酸化タウ陽性封入体(Globular glial inclusions : GGIs)の存在を特徴とします.これらの出現分布と変性部位から,3つの亜型に分類されています.前頭・側頭葉主体の病変分布を取り,前頭・側頭型認知症を呈するタイプ1,運動野と錐体路を主病変とし,運動ニューロン徴候を呈するタイプ2,そして両者の複合型と言えるタイプ3です.今まで MRI所見に関する議論はほとんどありませんでしたが,剖検で診断が確定したタイプ1の3症例について症例集積研究が報告されています. 2名は非定型進行性失語症,1名は大脳皮質基底核症候群を呈しました.結論として,GGTタイプ1を特徴づける4つのMRI所見は,①矢状断の脳梁下縁(bottom edge)の高輝度帯(図A,G,D),②症状に関与する皮質領域に由来する白質変性を示唆する局所的脳梁萎縮(言語症状が主な場合は前方の萎縮(B, E),失行が主な場合は後方の萎縮(H)),③脳室周囲の白質病変(C,F,I),④軽度から中等度の脳幹の萎縮と報告されています.
Eur J Neurol. Sep 1, 2021.(doi.org/10.1111/ene.15090)