コラム

パーキンソン症候群

2020.11.15

関節リウマチと間違いうる線状体手・足(striatal hand/toe)

回診で,患者さんの手足の変形について説明をしました.MCP関節は屈曲,PIP関節は伸展,DIP関節は屈曲しています.一見すると慢性関節リウマチ患者さんのスワンネック変形のように見えます.しかしこれはパーキンソン病のジストニアによる特有の肢位で,線状体手と呼ばれる所見です.パーキンソン症状の発症側に多いですが,発症10年以内での出現はまれです(多系統萎縮症では,より早期に出現します).下肢にはBabinski徴候と似た長母趾伸筋のジストニアによる変形を認めることがあります(線状体足).リウマチ因子陰性の「seronegative RA」の診断で,抗リウマチ薬や手術による治療が行われることがあります.これらの所見がパーキンソン病で生じうることを知っておいく必要があります.
Ashour R et al. Striatal deformities of the hand and foot in Parkinson's disease. Lancet Neurol. 2005;4(7):423-31. (doi.org/10.1016/S1474-4422(05)70119-8

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