コラム

パーキンソン症候群

2020.08.26

進行性核上性麻痺(PSP)におけるレボドパ誘発呼吸ジスキネジア

韓国からの症例報告で興味深いものがありましたので,ご紹介します.
7年前にPSPと診断されたものの通院せず,久しぶりに来院したPSP-Pの81歳女性.姿勢保持障害を認め車椅子を要した.レボドパ300 mg 3✕にて治療を開始したところ,2週間後から,内服の30分後から出現するうめき声を呈するようになった(動画).次の内服時間までには徐々に軽減し消失する.レボドパは運動症状に有効であったため継続されたが,1年後には全身のジスキネジアとうめき声の増強を認め中止され,うめき声は消失した.
PSPにおけるレボドパ誘発性ジスキネジアは4~10%という報告はありますが,本例のような所見の報告は稀です.機序は不明ですが,PSPではこのような所見を呈しうることを認識する必要があります.韓国からの動画の紹介は初めてかもしれませんが,全然違和感がなかったのは,最近,韓流ドラマばかり見ていたためかもしれません(笑).
JAMA Neurol. August 24, 2020(Doi.org/10.1001/jamaneurol.2020.2973)(動画はフリーです)

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