コラム

パーキンソン症候群

2019.06.25

(注目論文)レボドパ内服後のドパミン産生と分解には異なる腸内細菌が関与する!

将来のパーキンソン病治療を大きく変えると思われる論文が報告されています.治療の主役はいまなおレボドパですが,患者さんによってその効果や副作用の発現に大きな差が見られたり,また便秘をすると効果が弱まってしまうこともあります.今回,Science誌に報告された論文はなぜこのようなことが起こるのかという疑問に答えるもので,具体的には腸内細菌であるE. faecalisに由来するチロシン脱炭酸酵素(TyrDC)がドパミンの産生に,Eggerthella lentaに由来するドパミン脱水素酵素(Dadh)がドパミンの分解に関わっていることを初めて示しました.今後,腸内細菌によるレボドパ代謝を把握する臨床検査が開発され,治療や副作用の予測に用いられたり,腸内細菌をターゲットとした治療薬の開発が行われたりするのだろうと思われます.

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