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2019.12.27

APEスコアを用いて,自己免疫性てんかんのスクリーニングを行う

昨日の回診では抗てんかん薬の効果が不良の高齢者てんかん患者さんに対して,自己免疫性てんかんとして免疫療法を行なうかどうかという議論がありました.当科では血清中の抗神経抗体の免疫染色によるスクリーニングが可能で,検索では陰性であったため免疫療法を見送りましたが,判断が難しい場合もあります.吉倉延亮先生より抗体予測に有用なAPE (Antibody Prevalence in Epilepsy) スコアが紹介されました.2017年に報告されたもので15点満点です.4点以上で有意に神経抗体陽性率が高く(97.7% vs 21.6%),抗神経抗体に対する感度82.6%,特異度82.0%と報告されています.一方,免疫治療が奏効するかどうかという事前予測スコアもRITA(Response to Immunotherapy in Epilepsy score)スコアとして提唱されています.APEスコアに「発症6ヶ月以内の免疫治療の導入」「抗神経抗体陽性」の2項目を追加し(各2点),計19点とし,7点以上で治療responderに対する感度・特異度はそれぞれ87.5%,83.8%と報告されています. Epilepsia. 2017;58:1181-1189. JAMA Neurol. 2017;74:397-402.

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