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2019.10.23

ビッグニュース!初のアルツハイマー病 病態修飾薬誕生へ

今年はじめ,臨床試験失敗のニュースが多くの人々を落胆させた抗アミロイドβ抗体aducanumabですが,何と来年早々に米国FDAに承認申請されることになりました!!長期のランダム化比較第3相試験では,その薬剤を待ちわびる市場のニーズに答えるため,中間解析が行われます.そこで安全性に問題がある場合,早期に確かな有効性が認められた場合,逆に有効性が見込めない場合(無益:futilityといいます)には,試験が中止されます.Aducanumabは昨年12月の無益性解析において,有効性が見込めないと判断され,試験が中止されました.しかしBiogen/Eisaiが2つの第3相試験(EMERGE試験,ENGAGE試験)に,新たなデータセットを追加し,FDAと解析しなおしたところ,EMERGE試験は1638名から3285名に増え,高用量投与された被験者も増加した結果,主要評価項目(CDR-SBにおける臨床症状悪化の抑制)を達成(成功)したのだそうです(P=0.01)!アルツハイマー病の病態修飾薬として最初の薬剤となるとともに,アミロイドβの除去(図)が有効であることを実証する初の薬剤となります.とても嬉しいニュースですが,高額かつ継続的な投与が必要となるはずで,医療経済および倫理的に,どのように使用されることになるのか個人的にはとても気になります.

https://investors.biogen.com/news-releases/news-release-details/biogen-plans-regulatory-filing-aducanumab-alzheimers-disease

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