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2019.04.09

90歳になっても神経細胞は新生し成熟する! ―アルツハイマー病治療へのインパクト-

アルツハイマー病は,記憶に関わる神経細胞が徐々に失われていく疾患として捉えられてきました.今回紹介する論文は,この定説を否定しうるものであり,非常に驚くべき内容です.学生の頃,「成人の脳では,新たな神経細胞は決して生まれない」と教わりましたが, これは間違いであり,「健常者では90歳になっても神経細胞の新生とその成熟が見られること」「しかしアルツハイマー病患者さんでは神経細胞の新生が減少し,その成熟も顕著に減少している」ことが明らかにされました.もし神経細胞の新生や成熟を促進する治療が開発されれば,記憶の低下を抑制し,場合によっては回復できる可能性も生じるかもしれません.多くの人を元気づける論文だと思います.詳しくはブログをご覧ください.
Moreno-Jiménez EP, et al. Nat Med. 2019-03-25 (on line)

http://u0u1.net/V3iu

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