コラム

神経所見・検査所見

2021.08.19

蛇の目を縦にながめると・・・(平山病の snake-eyes appearance)

Snake-eyes appearance(SEA)は脊髄MRI T2強調画像における対称性高信号病変で,蛇の目(顔)に似ていることから名付けられました.ALS,平山病,頸椎症性脊髄症,後縦靭帯骨化症で報告されています.病理学的には嚢胞性壊死との報告があります.カンファレンスで,この SEAを縦に見ると,すなわち矢状断ではどうなるのか議論しました.中国から報告があり,293名(!)の平山病患者のうち30例(10.6%)がSEAを呈し,矢状断で見ると,1椎体4名,2椎体19名,3椎体5名,4椎体1名,5椎体1名と縦長病変が見られるそうです(C5-6椎体レベルが一番多い).SEAを認める患者は罹病期間が長く,進行期に出現する所見と考えられました.また錐体路徴候や脊髄萎縮を合併し,予後不良の指標と記載されています.他の疾患が十分に除外できているのか気にはなりましたが,いずれにしても縦長病変では水平断もしっかり確認し,SEAをチェックする必要があります.
Xu H, et al. Snake-Eyes Appearance on MRI Occurs during the Late Stage of Hirayama Disease and Indicates Poor Prognosis. Biomed Res Int. 2019 Jan 13;2019:9830243.(doi.org/10.1155/2019/9830243

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