コラム

神経所見・検査所見

2020.11.26

良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(BAFME)の細かいミオクローヌス

回診でBAFME,すなわち良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(benign adult familial myoclonus epilepsy)の不随意運動について説明しました.常染色体優性遺伝性疾患で,成人発症します.「皮質振戦」とよばれる細かいミオクローヌスとてんかんを呈します.当初,新潟でDRPLAとして集積された家系のなかに非進行性の1家系が含まれていて,それがこの疾患でした.初期には不規則なミオクローヌスが目立たず,本態性振戦と間違われることがあります.ミオクローヌスは手指に見られることが多く,姿勢時に目立ちます.BAFMEは複数の病型が知られ,原因遺伝子は異なるものの,イントロンにおけるTTTCAもしくはTTTTAからなる5塩基リピート伸長変異が共通の原因であることが判明しています.「脳神経内科」誌の9月号で特集が組まれており,とても勉強になりました.動画は2番染色体に連鎖するBAFME2型に関する論文で報告された13名のミオクローヌスの動画です.非常に「細かい」ことが分かります(Arch Neurol, 2012; 69, 474-81. YouTubeより).

一覧へ戻る