コラム

神経所見・検査所見

2020.10.09

メトロニダゾール関連脳症のMRI所見

回診で薬剤性小脳失調症について議論しました.フェニトイン,リチウム,フルオロウラシルなどが有名ですが,トリコモナス症や嫌気性菌感染症などに対して処方されるメトロニダゾールも重要です.開始数週後に小脳性運動失調で発症します.痙攣や異常脳波は稀ですが,頭部MRIで特徴的な歯状核,脳幹,脳梁などの異常信号を呈します(図A: FLAIR, B: DWI, C: ADC map).内服中止後2週程度かけて改善します.病態機序は十分に分かっていませんが,ウェルニッケ脳症と似たMRI所見を呈することから,共通する代謝障害が関与している可能性があると推測されています.Antibiotic-associated encephalopathy(AAE)のタイプ3に分類されます(過去ブログ参照)(https://blog.goo.ne.jp/.../49d572815951f82ef478b761c7968a32
Am J Neuroradiol 28;1652-1658, 2007(doi.org/10.3174/ajnr.A0655
Neurology. 86(10):963-71, 2016(doi.org/10.1212/WNL.0000000000002455

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