コラム

神経所見・検査所見

2020.01.10

Snake eyes appearanceと蛇の眼のかたち

昨日の回診で,頸髄MRIの「Snake eyes appearance」について議論しました.脊髄前角がT1で低信号,T2で高信号を呈し,「蛇の眼」のように見えるために名付けられました.頸椎症性脊髄症での報告が多く,病理学的にはcystic necrosisを呈し,予後不良の所見とされています(J Neurosurg 2003;99, 162-8).他の疾患でも報告があり,後縦靭帯骨化症(OPLL),平山病,そして筋萎縮性側索硬化症でもレポートがあります(図A, BはALSです:Neurology 2013;81, e29).また脊髄梗塞では拡散強調画像における「Snake eyes appearance」が報告されています(図C:Neurology 2016;86, e204).ちなみに蛇の眼(瞳孔)には2種類あります.ひとつは「蛇の目(じゃのめ)傘(図D)」や利き酒のお猪口の底の二重丸(蛇の目盃といいます)のような真ん丸のもの,もうひとつはマンガでよく見る猫に似た縦長瞳孔(図E:Narutoより).どっちも本当で,昼行性の蛇の瞳孔は人間と同じく丸く,ハブのような夜行性の蛇は縦長なのだそうです.MRIの蛇の目は,脊髄の輪郭を含めて蛇の顔に見えるのかもしれませんね.

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