コラム

神経所見・検査所見

2019.05.17

側頭葉極(temporal pole)のMRI病変を見逃さない

回診にて両側側頭葉極皮質下の高信号病変は,診断の鑑別に役に立つことを説明しました.代表的な疾患としてはCADASIL/CARASIL,筋強直性ジストロフィー(DM1)がまず挙がりますし,それ以外では,神経梅毒,前頭側頭葉変性症やALS-Dの一部,多発性硬化症,PRES,Menkes 病,megalencephalic leukoencephalopathy with subcortical cystsといった報告があります.昨年,「CADASILとDM1のMRI所見は画像的に区別できるか?」という論文が報告されましたが(PLoS ONE 13(12): e0208620),DM1では側頭極以外の病変の合併が少ないことが指摘されています(図).もちろん臨床医であれば両者の鑑別は症候学的に容易です.

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