コラム

神経所見・検査所見

2019.04.03

Split hand syndrome

朝のカンファレンスで,ALSを疑う徴候であるsplit hand syndrome(解離性小手筋萎縮)について議論しました.頸椎症などで尺骨神経が障害されると尺骨神経支配である小指球筋と第1背側骨間筋は,通常,一緒に障害されてともに萎縮します(図Bの矢印:左右差に注目).しかしALSの早期の段階では第1背側骨間筋の筋萎縮がみられても,小指球筋は比較的保たれることが多く(図Aの矢印),同じ尺骨神経支配でありながら第1背側骨間筋と小指球筋の筋萎縮の程度に乖離がみられます.この乖離をsplit(割れて2つに分かれる)と表現するのです.千葉大学の桑原聡教授らが2012年に分かりやすく解説されています(図も同論文より).J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2012;83:399-403.

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