コラム

神経所見・検査所見

2019.03.01

趾(あしゆび)の変形 ~金鎚・木槌・鉤~

カンファレンスで,Hammer toe(槌趾:つちゆび),つまり趾の変形の話をしました.平山「神経症候学」によるとHammer toeは「趾の基節が背屈(過伸展)し,中節が底屈した趾を一般に槌趾(または鉤趾)と言う」と書かれています.しかしさらに読み進めると「欧語も日本語も色々に用いられていて,多少混乱している」と書かれています.実は下図は私が覚えていた趾の変形3パターンですが,hammer toeは金鎚(もしくは金槌),claw toeは鉤(かぎ),mallet toeは木槌に由来します.Mallet toeは神経内科ではあまり使わないかもしれませんが,末節のみ曲がる変形で,突き指後の変形などで生じるため整形外科領域では使用されるのではないかと思います.細かいことが気になるのは僕の悪い癖ですが,「槌趾」と聞いたときにはひとにより指すものが異なることを知っておいて良いと思います.

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