IC-PC動脈瘤のような外科的疾患が原因の動眼神経麻痺（surgical third palsy）は散瞳が出やすく，逆に糖尿病性動眼神経麻痺のような内科的疾患が原因の動眼神経麻痺（medical third palsy）は散瞳が見られにくいことが知られています．これは縮瞳に関わる副交感神経が動眼神経中の周囲部分を走行しているため，外部からの圧迫で障害されることが原因と言われています．カンファレンスでレジデントの大野陽哉先生が，学生に分かりやすく説明してくださいました．一方で，無髄線維である副交感神経は束ではなく，動眼神経内を散在して走行しており，無随ゆえに圧迫に弱いのだとする考え方もあるようで，こちらのほうが信憑性が高いのかもしれません（神経症状の診かた・考え方：福武敏夫著）．図はEBM NERDホームページより．