コラム

神経所見・検査所見

2018.12.05

リウマチ性髄膜炎―硬膜炎と軟膜炎のMRI所見―

岐阜臨床神経集団会にて,岐阜県総合医療センターの工藤琢哉先生が,片麻痺で発症したリウマチ性髄膜炎を提示されました.関節リウマチの中枢神経合併症として「リウマチ性肥厚性硬膜炎」が比較的知られていますが,提示症例は軟膜が主に侵される「リウマチ性髄膜炎」でした.硬膜炎と軟膜炎は,MRIの造影パターンから区別できます(上段B,C).下段は両者の合併例の報告で,Aは硬膜炎を示し,BCは造影効果が脳溝に沿うため軟膜炎も合併していることが分かります.硬膜炎では頭痛や脳神経障害,軟膜炎では痙攣,片麻痺,精神症状を呈することが多く,この特徴は関節リウマチに伴う場合でも当てはまります.(河内泉ら.日内会誌. 2010; 99: 1821-9;Monika A et al. Neurology 2007;68, 1079-80)

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