コラム

神経所見・検査所見

2018.10.24

ウニ状赤血球と有棘赤血球

有棘赤血球は,神経有棘赤血球症や無βリポタンパク血症のような細胞膜脂質異常で見られます.前者は有棘赤血球舞踏病,McLeod症候群が有名ですが,Huntington disease-like2やパンテトン酸キナーゼ関連神経変性症(PKAN)でも認めます.朝のカンファレンスで有棘赤血球に似たウニ状赤血球(echinocyte)について勉強しました.両者の違いは,赤血球の「突起の分布, 長さ, 太さの規則性と先端の形」です.有棘赤血球では不揃いで先端は丸みがあるのに対し,ウニ状赤血球は規則的で尖っています(echinoは針の意味,ウニは英語でechinusです).ウニ状赤血球をきたす原因は①ATP産生障害を伴う溶血性貧血(ピルビン酸キナーゼ異常症やグルコース-リン酸イソメラーゼ異常症),②保存赤血球輸血後,③老化赤血球です.ウニ状赤血球も知っておく必要がありますね.

http://www.medical-labs.net/shapes-of-rbcs-699/

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