コラム

神経所見・検査所見

2018.06.17

下向き眼振(downbeat nystagmus)

青森での症例研究会で,下向き眼振について議論がありました.下向き眼振は正面視でも見られますが,動画のように下方視(特に側方の下方視)で増強します.輻輳によって眼振は増強することも軽減することもあります.責任病巣は小脳片葉・小節です.正中視時にみられる下向き,および上向き眼振は中枢性と診断でき,脳神経内科での精査が必要になります.ざまざまな疾患で見られますが,脊髄小脳変性症,Chiari I 型奇形,延髄空洞症,延髄梗塞,傍腫瘍症候群,Wernicke 脳症,薬剤性(アレビアチン,リチウム,カルバマゼピン・アミオダロン)などが挙げられます.動画はNeurocular.comより.

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