コラム

医療と医学

2023.09.13

血機能性神経障害の診断と治療@岐阜大学脳神経内科+リハビリテーション

機能性神経障害(functional neurological disorder; FND)は,歴史的に,ヒステリー,心因性疾患,解離性障害,転換性障害,身体表現性障害,心気症など,さまざまな病名で呼ばれてきた疾患です.近年は,心と体のいずれが原因かを言及せず,患者さんと共有しやすく,症状の回復のプラスになるという理由で,機能性運動障害と呼ぶことが多くなりました.またパンデミックで,このFND患者さんが明らかに増加していることを実感しています.

診断は特徴的な病歴や神経所見から,除外診断ではなく積極的に行う,つまりrule outではなくrule inする必要があります.よってFNDの診断のための神経症候学を十分理解する必要があります.診断にストレス要因の存在は不要と考えられていますので,精神科医ではなく,脳神経内科医が診断を行います.また治療は脳神経内科医+理学療法士+心理療法士が協力して行います.

昨日はこの診療体制づくりのために,脳神経内科とリハビリ科で合同勉強会を行いました.リハビリ科の先生方から本当にたくさんのご質問やご提案を頂き,この疾患に対する関心の高さを実感し,手応えを感じました.難治例への対応など手探りの点も多いですが,FNDの良いチーム医療の構築を目指したいと思います!

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