コラム

医学と医療

2017.11.09

視線入力によるコミュニケーション支援

ALSなどの神経難病患者さんの中には、四肢の筋力低下や構音障害により意思表示が困難になる方がいます。視線によるパソコンの文字入力は、慣れると速やかに行うことができる魅力的な方法ですが、装置が非常に高価であるという問題がありました。当科の山田恵先生はコミュニケーション障害の問題に取り組んでおられますが、回診で、視線入力が安価に実現できることを教えてくださいました。Tobii eye trackerという装置は現在アマゾンで2万円未満で購入でき(上段のパソコンの下部に付いている棒状のものです)、ソフトは最新のWindows10では標準で実装されています(下段)。また声を失うことが分かっている場合、事前に声を録音して、パソコンを介して声を再生するというソフト(マイボイス )もあります。このような工夫は患者さんのQOLを大きく改善しますので、最新の情報をフォローする必要があると思いました。

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