概要

VOICE~岐大医学部から~

退職教授からのメッセージ

医学教育開発研究センター
医療者教育学分野
藤崎 和彦 先生

『VOICE-岐大医学部から-』第140回は、令和7年3月をもって退職となった、医学部医学科 医学教育開発研究センター 医療者教育学分野 藤崎 和彦 先生にお話を伺いました。

教員生活を振り返って

20014月に岐阜大学に医学教育開発研究センター(MEDC)が設立され、スタート時点のスタッフとして岐阜に赴任しました。2005年には初代教授の高橋優三先生の後任の教授となり、2015年~2021年の間は鈴木康之先生の後任のセンター長も務めさせていただきました。もともと全国の医療系教員のfaculty developmentのナショナルセンターを目指して共同利用施設としてスタートしたMEDCは、2010年には文部科学省の認定する高等教育の共同利用拠点として、その位置づけを公的にも認めて頂き、さらに2020年にはわが国で唯一の医療者教育学修士課程の開設も実現することができました。全学的には2012年から全学共通教育で「生命と癒しの科学論」の授業を担当し、2017年からは地域協学センターの生涯学習・地域活動部門の副部門長もさせていただきました。その他にも教学企画室会議の委員や入学試験の国語の専門委員としても全学のさまざまな先生方のお世話になりました。

自分の専門とする医学教育の分野でも、岐阜大学運営に関わる大学人としても、自分の想像していた以上の活動を展開できたことは、多くの先生方の支援のおかげであると心の底から感謝しております。

次世代へのメッセージ

北大医学部を卒業して阪大大学院で「医学教育を専門にして活動していきたい」と指導教員の故中川米造先生に伝えた時、中川先生から「医学教育では食えないから臨床をやりながら趣味でやりなさい」と言われて、「そういうものなんだ!」と思っていたのが、幸か不幸か時代の流れが変わってきたことで医学教育で職を得ることができて、定年まで勤めあげることができました。また、自分が関心を持っていた医学教育や医学概論、地域保健のことも、いつの間にか自分の中でまとまって一つの世界として完結してくるようになりました。もともと自分の関心から興味を持った分野なので、最終的に自分の中でまとまってくるという事は、当たり前と言えば当たり前な事ではあるのですが、それがぼんやりと見えてくるのは40歳代後半になってからだったので、それまでの時代は何が関係して将来役に立つのか全く分からずに、こんなことをやっていて意味はあるのかと戸惑う毎日だったことも事実です。そういう訳で僕の次世代の皆さんへのメッセージは「自分の関心のあることは、いつか自分の中でまとまってくるので、不安がらずにどんどん突き詰めていきましょう」、また「目先の食える食えないにあまりこだわらずに、好きなことを突き詰めていったら、いつか芽が出る時が来ると思って諦めないでください」という事かなぁと思っています。

略歴

1985年3月 北海道大学医学部医学科卒業(医学士)
1989年 大阪大学大学院医学研究科博士課程単位取得
1989年 奈良県立医科大学衛生学教室助手
1997年 カナダ・マクマスター大学にてPBL教育に関する研修終了
2001年 岐阜大学医学教育開発研究センター助教授 (バーチャルスキル部門)
2005年6月 岐阜大学医学教育開発研究センター 教授(バーチャルスキル部門)
2015年4月 岐阜大学医学教育開発研究センター センター長
2021年6月 岐阜大学医学教育開発研究センター バーチャルスキル部門長
2022年4月 岐阜大学医学教育開発研究センター 教育開発学部門長
2025年3月 退職



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