VOICE~岐大医学部から~
退職教授からのメッセージ
地域健康支援看護学講座
基礎看護学分野
竹下 美惠子 先生
『VOICE-岐大医学部から-』第134回は、令和6年3月をもって退職となった、医学部看護学科 地域健康支援看護学講座 基礎看護学分野 竹下 美惠子 先生にお話を伺いました。
教員生活を振り返って
私は平成24年に本学に着任しました。当時おみえになった2名の教授とともに、特に基礎看護学における看護技術教育の教育・研究をさせていただきました。基礎看護学が対象とする初学者の学生にどんな方法で伝えたら、「わかった」という腑に落ちる体験をさせられるのか、多くのディスカッションをしたことは良い思い出です。大学院教育では、担当の院生は現職の看護師また大学教員といった社会人の方々でした。院生の皆さんを通して看護の現場の悩みや若い教員の思いをリアルに教えていただき、若い人が頑張っているのがよくわかりました。看護職が直面している課題を院生ともに探究できたことで最新の知見に触れる機会となりました。大学院を修了した皆さんが看護職のリーダーとして臨床や教育の現場で活躍されていることは、とても嬉しく元気をもらいました。令和3年から2年間、看護学科長を勤めさせていただきました。東海国立大学機構、岐阜大学というマクロな視点から看護学科の将来を考えることになり、戦略的に物事を進める難しさに直面しました。令和4年度には看護学教育の認証評価を受審し、多くの皆様の協力をもって「適合」をいただくことができました。令和5年度は評価員を拝命し他大学の評価をする機会を得たことで、これまで関わってきた看護基礎教育の集大成をさせていただいたと考えております。
次世代へのメッセージ
看護職の活躍の場は多様になり、施設内から地域へと広がっています。医療職以外のスタッフを含む多職種でのチーム医療がますます推進されていくことでしょう。その中で看護職自身が自らの専門性を認識し、役割を発揮することが求められます。それには、個々の看護職が専門職としての意識、プロフェッショナリズムを持つことが必須となるでしょう。プロフェッショナルですから確かな知識・技術はもちろん、看護職としての徳、研究力を身に着けるよう努力し続けることが必要です。「継続は力」といいますが、逃げないで粛々と自身のミッションに取り組み続けることができるとよいと思います。看護職は女性が多く、結婚、出産というライフイベントで家庭に重点をおかざるを得ない時期があります。看護は対象の人生に関わる仕事ですので、自身が人生経験を積むことは、看護の質の向上にプラスとなると考えています。ぜひ細々とでも看護に関わり続けていただき、地味にコツコツと一歩一歩積み重ねてください。そして、仕事にシフトできる時期が来たら人生経験を活かし看護に向かっていただければと思います。次世代を担う看護職の皆さんをいつも応援しています。
略歴
1980年 3月 | 名古屋第一赤十字病院看護師 |
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1980年 5月 | 看護師免許 |
1995年 6月 | 中部看護専門学校専任教員 |
2000年 9月 | 佛教大学社会学部応用社会学科卒業 |
2004年 3月 | 愛知教育大学大学院教育学研究科修士課程修了 |
2004年 4月 | 愛知きわみ看護短期大学講師 |
2007年 4月 | 愛知きわみ看護短期大学准教授 |
2010年 4月 | 愛知きわみ看護短期大学教授 |
2011年 3月 | 金城学院大学大学院人間生活学研究科博士課程後期課程修了 |
2012年 4月 | 岐阜大学医学部准教授 |
2015年 4月 | 岐阜大学医学部教授 |
2021年 4月 | 岐阜大学医学部看護学科長 |
2021年 4月 | 岐阜大学医学部副医学部長 |