概要

VOICE~岐大医学部から~

産科婦人科学からのメッセージ

医学系研究科 生殖・発育医学講座
産科婦人科学分野
教授 磯部 真倫 先生

『VOICE-岐大医学部から-』第130回は、令和5年6月に就任されました、医学系研究科 生殖・発育医学講座 産科婦人科学分野 教授 磯部 真倫 先生にお話を伺いました。

医師になられたきっかけは?

実は、医学生時代は産婦人科の講義は一回も出たことがなくて(笑)、絶対にならない診療科だと思っていました。そんな時、医学部5年生の産婦人科の臨床実習のときに、新任の教授が着任しました。教授の講義がとても面白く、手術も魅力的でした。そして、経腟、帝王切開分娩を見学し、生命の誕生に心を奪われました。「産婦人科医になる。」そう決断しました。産婦人科は、周産期、腫瘍、生殖内分泌、女性のヘルスケアと、内科的側面と外科的側面を持つ幅広い診療科です。産婦人科医は、手術をしながら、内科的治療も行えます。出産、育児中など人生のライフスタイルに応じて、専門とする領域を変えることもできます。こういった多様性も産婦人科の魅力と言えます。

現在研究している内容について

ビッグデータを用いた臨床疫学研究を行っています。レセプトデータを使って日本の産婦人科診療の現状や、地域間格差を調査する研究を行ってきました。また、これから産婦人科学会では学会が主導した様々な臨床データのデータベースが構築される予定です。これらのデータベースを使って医療の質の研究や、観察研究、アウトカム研究を行っていきたいと考えています。また、これまで医学教育研究も行ってきました。教育という分野は臨床医にとってあまり取り扱われることがなく、医学教育研究はこれまで臨床医はほとんど行ってきませんでした。医学教育学とは、教育を改善することで学習者の臨床能力が見込まれます。つまり、教育介入の結果、そのアウトカムが医療の質に直結するまさに実学です。岐阜大学は医学教育研究のメッカです。医学教育学の先生方とコラボレーションをしながら臨床医の視点から医学教育研究を行ってまいりたく思います。

産科婦人科学教授としての抱負

教室員と力を合わせ、岐阜県の最先端の医療と地域医療を充実させていきます。そして、産婦人科の4分野である周産期、腫瘍、生殖内分泌、女性のヘルスケアをバランスよく発展させていきます。また、若手医師、研修医、医学生は将来の日本の医療を支える宝です。教育体制を充実化し、日本に誇れる岐阜大学産婦人科の研修システムを確立していきます。そして、教室員が日々幸福感をもって働く環境を構築したく思います。人が幸せを感じるには、仕事でのスキルアップや充実感を感じるだけでは不十分です。家族のこと、休暇、働く意義、生きがいなど様々な角度から、教室員の人生が豊かになるように頑張っていきたく思います。

医師を目指す学生へのメッセージ

岐阜大学の産婦人科はとても雰囲気の良い医局です。また、医学生の教育にも力を入れています。ハンズオンセミナーなども開催していますので是非遊びに来てください。また、医学生は試験などの目の前の課題に追われることも多いと思いますが、最終的に医師は自分で見つけた課題に対して、自ら取り組み、自分で解決しなければなりません。今から少しずつ自分の学びたいこと、興味というものをみつけ、学んでみてください。そして、人の成長には必ず大切な出会いがあります。心の底から尊敬できるメンターを見つけ、そして学びを続けていってください。メンターに出会うには、様々な現場に出ていく必要があります。貪欲に参加する中で、なんでも受け入れる心を持ち、そして生涯の師となるメンターをみつけてください。

略歴

昭和 52年
山形県山形市生まれ
平成 14年 3月
山形大学医学部医学科卒業
平成 14年 4月 山形大学医学部附属病院 産婦人科
平成 20年 4月 大阪労災病院 産婦人科
平成 25年 12月
新潟大学医歯学総合病院 産科婦人科 助教
平成 30年 10月 新潟大学医歯学総合病院 戦略企画室 室員(兼任)
令和 3年 5月
新潟大学医歯学総合病院 総合研修部 副部長、医師研修センター副センター長 特任講師
令和 5年 1月 新潟大学 医学部医学科 医学教育センター 准教授
令和 5年 6月 福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 特任教授(兼任)
令和 5年 6月 岐阜大学大学院医学系研究科産科婦人科学分野 教授



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