VOICE~岐大医学部から~
麻酔科・疼痛医学分野からのメッセージ
医学系研究科 生体管理学講座
麻酔科・疼痛医学分野
教授 紙谷 義孝 先生
『VOICE-岐大医学部から-』第125回は、令和4年7月に就任されました、医学系研究科 生体管理学講座 麻酔科・疼痛医学分野 教授 紙谷 義孝 先生にお話を伺いました。
医師になられたきっかけは?
小学校入学直前に足首を骨折した際、治療に当たってくれた整形外科医がカッコよかったことから医師になることを意識し始めました。小学校3年生から発症した小児喘息の治療で高校卒業まで小児科にかかることになるのですが、主治医の先生が優しく、辛い発作から救ってくれた、ということで、小学生の頃から医師、特に小児科医になりたいと思うようになっていました。中学校2年生の時に友人が交通事故で亡くなったことをきっかけに、救急医学への関心も高くなりました。私の実家は自動車修理工場なのですが、田舎なので普通は長男が家業を継ぎます。私はどうしても外に飛び出していきたかったので、医師になれば両親も納得するだろうと考え、中学生の頃から医師になることを公言していました。
現在研究している内容について
この15年ほどは痛みに関する研究を行なっています。傷が治った後でも痛みが続く慢性痛は確実な治療法が少なく、難治性ですが、なぜ治らないのか、より良い治療法はないかを動物実験を通じて明らかにしようとしています。最近の成果として、ペインクリニック外来でしばしば行われる神経ブロックの際に、局所麻酔薬の作用を延長させるためにステロイドという薬物を添加することがあるのですが、その理由の一端を明らかにしました。このほか、ある治療法の効果を比較することを実際の患者さんへの効果を見ることにより明らかにする臨床研究も積極的に行なっています。
麻酔科・疼痛医学分野教授としての抱負
医師を目指す学生へのメッセージ
今の学生は学ばなければならないことが我々の頃より多くて大変だろうな、と感じています。しかし、いつか自分の家族が病院にかかった時に安心して任せることができるような医師になってほしいと思いますし、私自身そういう気持ちでやってきました(実際、自分の父と妻の麻酔を担当しました)。厳しいことを言うようですが、患者は結果を求めています。その一方で誠心誠意尽くしてくれた医療者には心を開いてもくれます。誠実さは自分の至らないところをカバーしてくれることを忘れないでください。
略歴
1994年
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横浜市立大学医学部卒業、同附属病院初期研修医 |
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1996年
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茅ヶ崎市立病院麻酔科 レジデント |
1997年 | 横浜市立大学大学院医学研究科博士課程 入学 |
2000年 | セントジュード小児研究病院発達神経生物部 博士研究員 |
2001年
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日本学術振興会 特別研究員(2004 年3月まで) |
2002年 | 横浜市立大学大学院医学研究科 生体制御・麻酔科学 博士研究員 |
2004年
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横浜市立大学附属病院麻酔科 助手 |
2006年 | 横浜市立大学大学院医学研究科 生体制御・麻酔科学 助教 |
2010年 | 横浜市立大学大学院医学研究科 神経解剖学 助教 |
2013年 | 新潟大学医歯学総合病院 麻酔科 講師 |
2015年 | 新潟県地域医療振興機構魚沼基幹病院 麻酔科科長・手術部長 |
2017年 | 新潟大学外学院医歯学総合研究科 麻酔科学分野 准教授 |
2020年 | 新潟大学医歯学総合病院麻酔科 副診療科長 |
2022年7月 | 現職 |