VOICE~岐大医学部から~
退職教授からのメッセージ
医学系研究科 病態制御学講座
泌尿器科学分野
教授 出口 隆 先生
『VOICE-岐大医学部から-』第90回は、平成30年3月をもって退職される、医学系研究科 病態制御学講座 泌尿器科学分野 教授 出口 隆 先生にお話を伺いました。
教員生活を振り返って
次世代へのメッセージ:Boys, be ambitious!
「少年よ、大志を抱け」、この言葉を知ったのは、おそらく小学校高学年の頃であり、その古色を帯びた言葉の意味は理解していなかったことと思う。そして、中学生になり、その元の言葉が、「Boys, be ambitious!」と知って、ambitionは「野心」と訳されてあまり良い印象の言葉でなく、be ambitiousは「野心的であれ、野心家であれ」は、手段を選ばずに名声や富を得ることのみを目的とするような何らか胡散臭いように思った。では、「Boys, be ambitious!」を「少年よ、大志を抱け」となぜ訳されたのか?この言葉は、明治時代に札幌農学校のクラーク博士が、諸説はあるが、日本を去るときに学生たちに言い残した言葉とされている。英語のnative speakerに言わせると実際は懸命に努力して成し遂げる大きな望みをambitionと表現されることの方が多く、むしろ前向きな良い意味を含んでいるとのことである。当時の農学校の学生たちは、おそらくはambitionの真の意味を理解していたし、彼ら自身の中に日本の農業を近代化させるという使命感と大きな志を持っていたからこそ、その思いに「be ambitious」が響いてこのような日本語訳「少年よ、大志を抱け」になったような気がする。時代の文脈から読み解けば、この訳は当時の日本の近代化を担う若者の熱い思いを適格に表す名訳であろう。そこで、現在の学生諸君に問う。「Boys, be ambitious!」と投げかけられたら、どのようなことを思うのか?是非とも君たちの心に響くそれぞれの大志があることを願っている。もし、無ければそれを是非とも見つけて欲しい。
略歴
1953年生まれ、専門は泌尿器科学 | |
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1979年 | 岐阜大学医学部 卒業 |
岐阜大学泌尿器科 入局 | |
1983年 | 米国Roswell Park Memorial Institute リサーチフェロー(2年間) |
1991年 | 岐阜大学医学部附属病院泌尿器科 講師 |
1998年 | 岐阜大学医学部教授(泌尿器科学) |
2002年 | 岐阜大学医学部附属病院副病院長(4年間) |
2004年 | 岐阜大学大学院医学系研究科教授(泌尿器科学) (組織改組による変更) |
2018年3月 | 退職 |
学会役員
日本泌尿器科学会(監事、代議員、専門医、指導医) | |
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日本性感染症学会(理事、認定医) | |
日本移植学会(移植認定医) | |
日本感染症学会(評議員) | |
日本化学療法学会(評議員) | |
岐阜県ジン・アイバンク協会(副理事長) |