VOICE~岐大医学部から~
退職教授からのメッセージ
医学系研究科 病態制御学講座
循環病態学分野
教授 湊口 信也 先生
『VOICE-岐大医学部から-』第88回は、平成30年3月をもって退職される、医学系研究科 病態制御学講座 循環病態学分野 教授 湊口 信也 先生にお話を伺いました。
教員生活を振り返って
次世代へのメッセージ
私が医学部の教育を受けた当時は、教養学(1、2年生)、基礎医学(3、4年生)、臨床医学(5、6年生)で構成されていました。教養学では2年間という時間的な余裕があり、自然科学、人文科学、語学(英語、ドイツ語、フランス語、中国語などの中で、必修科目と自由選択科目から、幅広い領域の学問を勉強する機会に恵まれていました。クラブ活動に熱中したり、様々な書物を読む時間も十分にあったように思います。一見、長すぎて無駄と思える余裕ある教養学の2年間が、卒業後の長い医師としての人生の人格的基礎を形成するためには大切な時間であったように思います。3、4年生では解剖学、病理学、生理学、生化学、薬理学、微生物など医学の基礎をきっちりと学ぶ2年間となりました。5年生になり、ようやく臨床医学の系統講義、臨床講義が始まり、6年生では各臨床講座を回る臨床実習に明け暮れました。時代とともに教育方法は大きく変化し、最近の医学教育は、勉強すべき医学知識が膨大なものになってきているため、臨床医学を学ぶ時期を前倒しし、その時間を確保しています。その結果、基礎医学を学ぶ時間が以前に比べてかなり短縮され、さらに基礎医学専攻を希望する医師も激減しているのが現状であると思います。私自身は臨床医ですが、基礎医学分野の教員を増員し、基礎医学教育時間の拡大と充実をはかることが、基礎医学にしっかりと裏打ちされた臨床医学の発展にも繋がり、日本の医学・医療のさらなる発展の鍵を握っていると考えています。
略歴
1952年生まれ、専門は循環器学 | |
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1978年 | 岐阜大学医学部 卒業 |
1983年 | 岐阜大学大学院医学研究科博士課程 修了 |
岐阜大学医学部附属病院第2内科 医員 | |
1986年 | 岐阜大学医学部附属病院第2内科 助手 |
1989年 | オーストラリア メルボルン大学医学部留学 |
1994年 | 岐阜大学医学部附属病院第2内科 講師 |
1997年 | 岐阜大学医学部附属病院助教授(第二内科)(医局長) |
2007年 | 岐阜大学大学院医学研究科再生医科学循環病態学/呼吸病態学(第二内科)教授 |
2012年 | 岐阜大学大学院医学系研究科副研究科長 |
2014年 | 岐阜大学医学部附属病院先端医療・臨床研究推進センター長 |
2016年 | 岐阜大学大学院医学系研究科研究科長・医学部長(2年間) |
2018年3月 | 退職 |
学会役員
日本内科学会(内科認定医、総合内科専門医、評議員) | |
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日本循環器学会(理事、評議員、循環器専門医) | |
日本心臓リハビリテーション学会(理事、評議員、指導士) | |
日本高血圧学会(評議員、専門医) | |
日本心臓病学会(評議員、FJCC特別正会員) | |
日本心不全学会(理事、評議員) | |
American Heart Association(AHA)(Premium professional member) | |
European Society of Cardiology (ESC)(FESC, fellow of European Society of Cardiology) |