概要

VOICE~岐大医学部から~

退職教授からのメッセージ

医学系研究科 病態制御学講座
口腔病態学分野
教授 柴田 敏之 先生

『VOICE-岐大医学部から-』第112回は、令和3年3月をもって退職される、医学系研究科 病態制御学講座 口腔病態学分野 教授 柴田 敏之 先生にお話を伺いました。

教員生活を振り返って

2001年6月に岐阜大学医学部口腔外科学講座(当時)に赴任し、その後の組織改組、医学部・附属病院の司町から柳戸への移転を経て、この2021年3月末日をもち退任させて頂きます。1983年に北海道大学を卒業して以来、北海道大学、北海道医療大学と札幌市で20年近く過ごした後に岐阜大学への赴任となり、大学卒業以来全ての期間を大学人として口腔外科の教育・研究・臨床に携わって来ました。この中で、常に心掛けてきたこととして「自己学習能力の向上」の涵養があります。大学で学ぶことは当然ながら大変重要ではありますが、長い人生を勘案すると、やはり短く、永くの時を卒業後に過ごし、人として大きく成長するためには、卒業後の期間を如何に充実したものにするかが肝要になると思います。問題意識を持ち解決のための方策を探る作業に必須である自己学習能力を身に着けていることが、日々の積み重ねと伴に後年に大きな成果を齎してくれるものと思っています。自身もまだまだ未達の部分が多々あると痛感していますので、此れからも、これまでの教員生活を振り返り、反芻しながら自己研鑽に努めて行きたいと念じている所です。終わりは無い様です。

次世代へのメッセージ

近年のテクノロジーの進歩による人々の移動や情報伝達速度の向上に伴う事象でもあるかと思いますが、国の内外の社会情勢が目まぐるしく、大きく変化する様になって来ている(感じられる様になって来ている)と思います。また、医療に対する社会的ニーズも社会構造や疾病構造等の変化に伴いどんどん変り続け多様化・多彩化して来ています。この中で自身を着実に育むこと、良い仲間とのネットワーク、刺激し合える仲間作りが、自身の立ち位置や進むべき方向を定める上で大変重要となると思います。特に臨床の方に進まれる方は、何から何まで一人で成すことがほぼ不可能な現在、様々な専門性を持った方々、仲間とのチームを形作ること、また、逆にチームからの期待に応えられる一員になることを目指すことが重要かと思います(このことは基礎・研究面進まれる方々にも等しく云えることかと思います)。自身は、まだ古き良き時代の名残を薄っすらではありますが残す大学人として勤務させて頂きました。今後は、先に述べさせて頂いた様な非常に早く激しい変化に柔軟に対処することが求められると思います。この為にこそ自己研鑽を重ねつつ自身を育むことが肝要であると思っています。終わりに、皆様が自分の歩むべき道を仲間達と伴に着実に進まれることを祈念して「前途遼遠なれ」のエールを送らせて頂きたいと思います。また、長らく岐阜大学に勤務し支えて頂いた皆様に心より感謝申し上げます。

略歴

1983年 北海道大学歯学部 卒業
北海道大学歯学部口腔外科学第一講座 入局
1990年 北海道医療大学歯学部口腔外科学第二講座 助手
北海道医療大学歯学部口腔外科学第二講座 講師
1997年 北海道医療大学歯学部口腔外科学第二講座 助教授
2001年 岐阜大学医学部口腔外科学講座 教授
2004年 岐阜大学大学院医学系研究科口腔病態学分野 教授
(組織改組による変更)
2021年3月 退職



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