岐阜大学大学院医学研究科 産業衛生学分野
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将来展望
将来展望_2
 
 近年、ホリスチック医学なる名称を頻繁に耳にするようになった。これは現代医学の限界を予感させると共に、新たなる進歩を強く求められる傾向が益々大きくなった証でもあるともいえる。一方、医療現場では最先端治療と銘打って、メディカルマシーンやテクノロジーの開発に余念が無い。しかし、医療費は高沸し、患者数も一向に減る様子も無く、このままでは国民健康保険および社会保険の破綻は筆致である。これというのも医学が本来行わなくてはならない目的から、あまりにも枝葉の部分に入りすぎたきらいがあるのではなかろうか。
 この現状を打破するためには、起こっている疾病に対応することに終始するばかりではなく、疾病が起こる根本的原因を追求し、その原因を除去することにより疾病の発生を未然解決するように努めなくてはならない。このことこそ疾病の再発予防の根幹にあたるはずである。いうまでもなく医学の本来の目的は、医学的治療を施さなくてもよい環境を提供することにある。今後、この目的の達成にむかって努力しなければならないことは医学の本懐である。
 この医学の一分野としての衛生学は、命(いのち)を衛ることを目的とした学問であり、人類の健康と広い意味での環境との関わりを解析し、人類の健康の保持・増進に寄与することを目的とした実学であることは周知のとおりである。
 近年、衛生学では、劣悪な環境の改善から、これを一歩進めて環境の快適化に視点が移行し始めている。しかし、ただ快適な環境を作るということのみではなく、医学的治療を提供しなくてもよい人体に最も適した環境とはどうあるべきかについては、これからの最重要課題である。したがって医学の本来の目的を達成するためには、今以上に社会環境と密接につながった衛生学が必要であることは筆致である。そのため今後、衛生学講座と社会企業または衛生学講座と国民をインターネットでオンライン化することにより、リアルタイムに起こってくる問題の把握と、スピーディーな対応策が提言できるよう大学と企業,大学と国民の間のIT化を進め、社会に求められるより大きな社会的貢献を視野に入れた衛生学の構築を進めることが、急務と考えられる。
 
 
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