2024年度 東海がん専門医療人材養成プランセミナーを開催しました
医学科 2025/03/24
3月11日(火)に岐阜大学医学部附属病院手術棟会議室3にて2024年度 東海がん専門医療人材養成プランセミナーを開催しました。
東海がん専門医療人材養成プラン(東海がんプロ)は、次世代のがん対策の基盤を担うがん専門医療人を養成する教育プログラムを大学間連携によって開発・実施し、日常診療で培われた強固な連携と人的交流を基盤に、各大学の教育リソースを強みとして有機的に共有しながら、東海地域の事情やニーズに適った人材を養成することを目指しています。
今年のセミナーでは、本学医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野 小川 武則 教授の挨拶から始まり、本学医学系研究科腫瘍病理学分野 小林 一博 特任助教による一般講演と聖マリアンナ医科大学病理学(診断病理) 渡邊 麗子 教授による特別講演を実施いたしました。
演題
一般講演 『当院の遺伝子パネル検査について』
小林 一博 特任助教(腫瘍病理学分野)
特別講演 『腫瘍の組織型と病期分類:病理診断の変遷とその未来』
渡邊 麗子 教授(聖マリアンナ医科大学病理学(診断病理))
当日は対面で、学外の参加者の他、本学附属病院の病理部、耳鼻咽頭科、泌尿器科等から計24名の参加者があり、小林特任助教から「がん遺伝子パネル検査はがん治療におけるファーストステップとしてとても有効であるが、費用面で患者にとって大きな壁となっていること」について、渡邊教授から「がん登録ですべてのがん患者を登録し情報収集することが今後のがん治療に大いに役立つこと」「腫瘍の性質とその予後を見きわめ、治療方針を決めるうえで重要な分類となる病理組織学的分類(WHO分類)を用いて患者のがん形態をコーディングすることで、言語が違う世界中のどこの病院においても患者の病状が一目で分かるようにすることの重要性」について講演いただきました。
参加者からは、「がん形態のコーディングにおける良性悪性の分別について、WHOの判断と日本の判断が異なり驚いた」「昔訪れたことのあるWHOの建物の風景写真を見てとても懐かしく思った」など、今回の講演により、病理診断をとりまく状況について理解が深まったといった感想をいただきました。
本学では、今後も引き続き東海がんプロに取り組んでまいります。
- 小川 武則 教授(耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野)
- 小林 一博 特任助教(腫瘍病理学分野)
- 渡邊 麗子 教授(聖マリアンナ医科大学病理学(診断病理))