CSTセンターとは

CSTセンター長ごあいさつ

高度な手術手技に対するご遺体を使用した手術手技研修はカダバー・サージカル・トレーニング(Cadaver Surgical Training: CST)と呼ばれ、医療安全効果により国民の福祉への大きな貢献が期待されます。海外では以前よりCSTが盛んに行われてきましたが、我が国でも平成24年4月に、日本外科学会と日本解剖学会が「臨床医学の教育と研究における死体解剖のガイドライン」を発表してから、このガイドラインに則ってCSTが実施されるようになりました。
岐阜大学におけるCSTは2022年に始まりました。CSTの実施に先立って、その円滑な運営と実施を司る機関として、岐阜大学医学部カダバー・サージカル・トレーニングセンター(略称 CSTセンター)が設立されました。
このウェブサイトでは、CSTセンターの組織と活動内容を紹介し、岐阜大学医学部におけるCSTが円滑かつ効果的に進むために必要な情報を提供しています。このウェブサイトを通じてCSTセンターの業務を十分に理解していただき、CSTセンターを上手に利用して、実りあるCSTを実現されることを願っています。

CSTとは

ご遺体を用いた手術手技研修 ”Cadaver Surgical Training (CST)” は、医師が実際のご遺体を使用して手術の技術を習得し、実践的な経験を積むための教育プログラムです。最新の手術技術や新しい医療機器を安全に試すための最適な環境を提供し、患者に対する安全性と医療の質を高めることを目的としています。

1. リアルな手術体験

CSTは、シミュレーションとは異なり、実際の人体を扱うことで、組織の感触や生体に近い状況でトレーニングが行えます。これにより、現場で求められる正確な手技や判断力を養うことができます。

2. 多様な手術領域に対応

これまでに、脳神経外科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、形成外科、心臓血管外科、呼吸器外科、消化器外科、整形外科、産婦人科、乳腺外科、泌尿器科、麻酔科疼痛治療科、救急科が参加され、多岐にわたる専門領域の手術技術を鍛錬していただいております。

3.新技術の習得

最新の手術技術や器具の使用方法を、実際の手術を行う前に安全に学ぶことができます。

4.患者へのリスク軽減

現場における手術の精度が向上し、患者への負担やリスクを最小限に抑えることが期待されます。

岐阜大学医学部CSTセンター

CSTセンター ロゴ

2021年に岐阜大学医学部CSTセンターが設置されました。CSTセンターは、病院の各診療科が行うCSTを統括・監督する立場にあります。
岐阜大学では、CST実施に際し、以下のような体制をとっております。

CST関連組織とCSTの実施

写真撮影・動画撮影について

CSTにおいて、教育や実施報告を目的として写真撮影・動画撮影を行う場合があります。
岐阜大学のCSTセンターでは、CSTに関わる全ての人を対象に、写真撮影と動画撮影に対し、以下の事項を遵守するよう、事前ガイダンスおよびHPにて周知・徹底し実施しております。

  1. 個人を特定できる部位(顔面)は必ず隠す
  2. CST実施に必要な部分以外は布で覆う
  3. 礼意を欠いたふざけた写真・動画は撮らない(例:ご遺体の前で笑顔でピースなど)
  4. SNSなどにアップしない
  5. 写真・動画の使用を希望する際は、使用する写真・動画ごとに必ず事前にCSTセンターへ使用許可をとる