研修プログラムについて

岐阜大学医学部附属病院耳鼻咽喉科専門研修プログラム

【プログラムの名称】

岐阜大学医学部附属病院耳鼻咽喉科専門研修プログラム

【プログラムの目的】

耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の疾患は小児から高齢者まで幅広い年齢層が対象で、外科的治療のみならず内科的治療も必要とし、幅広い知識と医療技能の習得が求められています。 岐阜大学医学部附属病院耳鼻咽喉科専門研修プログラムでは、医療の進歩に応じた知識・医療技能を持つ耳鼻咽喉科専門医を養成し、医療の質の向上と地域医療に貢献することを目的としています。 岐阜大学医学部附属病院では高度な先進医療に関する知識をつけることが可能です。 また、岐阜市内、西濃、中濃地区にある研修連携病院では症例数も多く、耳鼻咽喉科全般にわたる知識を習得できます。 その他、東濃および飛騨の地域医療に貢献できるコースもあります。 また、診療技能のみならず、学会発表や論文作成を通じ、科学者としての能力を習得することも目標としています。 さらに、アドバンスコースとして、大学院へ進学するコースでは研究に邁進し、学位取得を目指すことができます。 本プログラムを修了することで、耳鼻咽喉科・頭頸部外科医として必要な診療スキルのみならず、医師としてコミュニケーションスキル、プレゼンテーションスキル、教育指導スキルを習得することができます。

  • 日本気管食道科学会 認定

    気管食道科専門医研修施設(咽喉系)

  • 日本頭頸部外科学会 認定

    頭頸部がん専門医制度指定研修施設

  • 日本頭頸部外科学会 認定

    耳鼻咽喉科・頭頸部外科における
    ロボット支援手術実施施設

  • 日本耳科学会 認定

    耳科手術認可研修施設

  • 日本内分泌外科学会 認定

    専門医制度関連施設

【指導医と専門領域】

◆専門研修基幹施設:岐阜大学医学部附属病院

初期臨床研修の基幹型臨床研修病院の指定基準を満たし、プログラム総括責任者と専門研修指導医4名以上が配置されている。 年間の手術は400件以上、そのうち、頭頸部外科手術50件以上、耳科手術50件以上、鼻科手術50件以上ならびに口腔・咽喉頭科手術80件以上の手術件数を有する。臨床研究・基礎研究を実施し、公表した実績がある。 施設として、医療安全管理、医療倫理管理、労務管理を行う部門があり、サイトビジットによる評価に対応できる体制を備えている。

 プログラム統括責任者:小川武則 (教授、科長)

    指導管理責任者:小川武則 (教授、科長)
             *耳、鼻・副鼻腔、口腔咽喉頭、頭頸部

        指導医:青木光広 (准教授)
             *耳、口腔咽喉頭、頭頸部

            西堀丈純 (助教、医局長)
             *鼻・副鼻腔、口腔咽喉頭、頭頸部

            大橋敏充 (助教、病棟医長)
             *鼻・副鼻腔、口腔咽喉頭、頭頸部

            小原奈津子(助教)
             *耳、鼻、口腔咽喉頭

        専門医:加藤久和 (准教授)

            柴田博史 (助教)

            奥田 弘 (助教)

            黒木 将 (助教)

【専門研修連携施設】

◆A グループ

指導医1名以上、総スタッフ4名以上の地域の中核病院として、年間手術件数が300件以上を有する。

 ・岐阜県総合医療センター

    指導管理責任者:山田南星

        指導医:柳田正巳

 ・岐阜市民病院

    指導管理責任者:白戸弘道

        指導医:棚橋重聡

 ・大垣市民病院

    指導管理責任者:大西将美

        指導医:若岡敬紀

 ・中濃厚生病院

    指導管理責任者:滝脇正人

        指導医:横山壽一

 ・一宮西病院

    指導管理責任者:水田啓介

 ・東北大学病院

    指導管理責任者:香取幸夫

        指導医:香取幸夫、山内大輔

◆Bグループ

指導医または専門医1名、スタッフ 2名以上で、年間手術件数は100件以上を有する。主に、地域医療を中心に行う専門研修関連施設であり、地域に密着した医療を経験することを目的とする。

 ・木沢記念病院

    指導管理責任者:久保富隆

        指導医:久世文也

 ・高山赤十字病院

    指導管理責任者:高橋洋城

 ・朝日大学病院

    指導管理責任者:長谷川泰久

        指導医:松塚 崇

【専門研修関連施設】

◆C グループ

喉頭科、頭頸部外科の治療に専門性の高い病院

 ・国際医療福祉大学 東京ボイスセンター(高いレベルの喉頭科手術と音声障害のリハビリテーション)

    指導管理責任者:渡邊雄介

        指導医:渡邊雄介

 ・国立がん研究センター東病院(高いレベルの頭頸部がん治療を実践する)

    指導管理責任者:松浦一登

        指導医:松浦一登、篠崎 剛、富岡利文、岡野 渉、岡野 晋

【募集定員】

5名

【研修開始時期と期間】

2022年 4 月 1 日~2026 年 3 月 31 日
研修を行う専門研修連携施設および研修時期・期間は、専攻医ごとに適宜変更がある。

【応募方法】

◆応募資格

日本国の医師免許証を有すること
臨床研修修了登録証を有すること(第 98 回以降の医師国家試験合格者のみ必要。2022年3月31日までに臨床研修を修了する見込みの者を含む。)
一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会(以下「日耳鼻」という。)の正会員であること(2022年4月1日付で入会予定の者を含む。)

◆応募期間

2021年 10 月 1 日~2022年2月 15日

◆選考方法

書類審査および面接により選考する。面接の日時・場所は別途通知する。

◆応募書類

願書、希望調査票、履歴書、医師免許証の写し、臨床研修修了登録証の写し

◆問い合わせ先および提出先

 〒501-1194
  岐阜市柳戸1-1
  岐阜大学医学部耳鼻咽喉科
 058-230-6279   058-230-6280
 entsec●gifu-u.ac.jp
※メールを送信する場合、メールアドレス中●を@に変更してから送信してください。

【プログラムの概要】

専門研修基幹施設である岐阜大学医学部附属病院と地域の中核を担う病院群(Aグループ)、地域医療を担う病院群(Bグループ)、喉頭・頭頸部癌に高い専門性を持つ病院群(Cグループ)の 計12研修施設において、それぞれの特徴を生かした耳鼻咽喉科専門研修を行い、日耳鼻研修到達目標や症例経験基準に掲げられた疾患や手術を経験する。

下記に記した表のように3つのコースを設定する。岐阜大学医学部附属病院とAグループ、Bグループの病院を中心に研修を行うBasicコース、Cグループも研修に加える喉頭、頭頸部癌治療を重点的に研修する喉頭・頭頸部癌重点コースならびに研修を行いながら、社会人大学院を専攻し基礎研究や臨床研究を行う大学院コースである。

いずれも、岐阜大学病院またはA、B、Cグループの研修病院で耳鼻咽喉科の基本的知識、診療技術を習得する。いずれもCommon diseaseの症例数が豊富で手術件数や救急疾患も多く、手術手技や救急疾患の対応などを習熟する。

3 、4年目はBasicコースでは岐阜大学病院またはA、Bグループのいずれかの病院で臨床検査、診断技術、手術手技の研鑽を積む。喉頭・頭頸部癌重点コースでは、Cグループのいずれかの病院での研鑽を加える。大学院コースでは社会人大学院を専攻し大学病院で臨床を続けながら研究の基礎を学習する。

いずれのコースともに4年間の研修中、日本耳鼻咽喉科認定学会において学会発表を少なくとも 3 回以上行い、筆頭著者として学術雑誌に 1 編以上の論文執筆・公表を行う。積極的に科学的根拠となる情報を収集、分析し、日々の診療に活かすよう、日頃から科学的思考、生涯学習の姿勢を身につける。

プログラムに定められた研修の評価は施設ごとに指導管理責任者、指導医および専攻医が行い、プログラム責任者が最終評価を行う。4年間の研修修了時には、すべての領域の研修到達目標を達成する。さらに、4年間の研修中、認定されている学会において学会発表を少なくとも3回以上行う。また、筆頭著者として学術雑誌に1編以上の論文執筆・公表を行う。研修の評価や経験症例は日耳鼻が定めた方法でオンライン登録する。

大学院コースでは5年目、6年目に通常の大学院を専攻し研究に邁進し学位取得を目指す。

【基本的研修プラン】

研修コース

◆Basicコース

1 年目(2022年度): A、B、Cグループの病院群または岐阜大学医学部附属病院のいずれかの病院で研修する。4年間のうち、最低1年間は大学病院で研修する。1年毎に研修病院を移動する。

2 年目(2023年度): A、B、Cグループの病院群または岐阜大学医学部附属病院のいずれかの病院で研修する。4年間のうち、最低1年間は大学病院で研修する。1年毎に研修病院を移動する。

3 年目(2024年度): A、B、Cグループの病院群または岐阜大学医学部附属病院のいずれかの病院で研修する。4年間のうち、最低1年間は大学病院で研修する。1年毎に研修病院を移動する。

4 年目(2024年度): A、B、Cグループの病院群または岐阜大学医学部附属病院のいずれかの病院で研修する。4年間のうち、最低1年間は大学病院で研修する。1年毎に研修病院を移動する。

4年間の研修中にCグループ病院群での研修は最長1年する。

◆喉頭・頭頸部癌重点コース

1 年目(2022年度): A、B、Cグループの病院群または岐阜大学医学部附属病院のいずれかの病院で研修する。4年間のうち、最低1年間は大学病院で研修する。1年毎に研修病院を移動する。

2 年目(2023年度): A、B、Cグループの病院群または岐阜大学医学部附属病院のいずれかの病院で研修する。4年間のうち、最低1年間は大学病院で研修する。1年毎に研修病院を移動する。

3 年目(2024年度): A、B、Cグループの病院群または岐阜大学医学部附属病院のいずれかの病院で研修する。4年間のうち、最低1年間は大学病院で研修する。1年毎に研修病院を移動する。

4 年目(2024年度): A、B、Cグループの病院群または岐阜大学医学部附属病院のいずれかの病院で研修する。4年間のうち、最低1年間は大学病院で研修する。1年毎に研修病院を移動する。

4年間の研修中にCグループ病院群での研修は最長1年する。

◆大学院コース

1年目(2022年度)2年目(2023年度):Basicコース1, 2と同様に病院を選択し研修する。

3年目(2024年度)4年目(2025年度):岐阜大学医学部附属病院で専門研修を行いながら、社会人大学院へ入学し、基礎研究や臨床研究を行う

5年目(2026年度)6年目(2027年度):専門医取得後は、常勤・非常勤医師として勤務しながら学位取得を行う。学位取得後は耳鼻咽喉科専門研修指導医となれるように研鑽を積む。

【年次毎の到達目標】

◆1年目

Basicコース

研修施設
岐阜県総合医療センター、岐阜市民病院、大垣市民病院、中濃厚生病院、一宮西病院、木沢記念病院、高山赤十字病院、岐阜大学医学部附属病院、朝日大学病院、東北大学病院、国立がん研究センター東病院、国際医療福祉大学 東京ボイスセンターのいずれか

研修期間
2022年 4 月 1 日~2023年 3 月 31 日

一般目標
耳鼻咽喉科医としての基本的臨床能力および医療人としての基本的姿勢を身につける。このために、代表的な疾患や主要症候に適切に対処できる知識、技能、診療態度および臨床問題解決能力の習得と人間性の向上に努める。

行動目標

基本姿勢・態度
研修到達目標:#1-5,7-20

基本的知識
研修到達目標(耳):#22-28,34
研修到達目標(鼻・副鼻腔):#44-49
研修到達目標(口腔咽喉頭):#65-75
研修到達目標(頭頸部腫瘍):#89-94

基本的診断・治療
研修到達目標(耳):#29-43
研修到達目標(鼻・副鼻腔):#50-64
研修到達目標(口腔咽喉頭):#76-82,88
研修到達目標(頭頸部):#95-100,103-110

経験すべき治療など
術者あるいは助手を務めることができる
 耳科手術(鼓膜切開術、鼓膜チューブ挿入術、鼓室形成術、人工内耳埋め込み術など)
 鼻科手術(鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術、内視鏡下鼻副鼻腔手術など)
 口腔咽喉頭手術(口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術、舌・口腔・咽頭腫瘍摘出術、喉頭微細手術など)
 頭頸部腫瘍手術(頸部リンパ節生検、頸部郭清術、頭頸部腫瘍摘出術など)
緩和医療
リハビリテーション(嚥下、聴覚、めまいなど)

経験すべき検査
下記の検査を自ら実施し、その結果を解釈できる。
聴覚検査:純音聴力検査、語音聴力検査、ティンパノメトリー、自記オージオメトリー検査、
耳音響放射検査、幼児聴力検査、聴性脳幹反応、補聴器適合検査
平衡機能検査:起立検査、頭位および頭位変換眼振検査、温度眼振検査、視運動性眼振検査、
視標追跡検査、重心動揺検査
耳管機能検査
鼻アレルギー検査(鼻汁好酸球検査)
嗅覚検査(静脈性嗅覚検査、基準嗅覚検査)
鼻腔通気度検査
中耳・鼻咽腔・喉頭内視鏡検査
味覚検査(電気味覚検査またはろ紙ディスク法)
喉頭ストロボスコープ検査、音声機能検査、音響分析検査
超音波検査(頸部、唾液腺、甲状腺)、穿刺吸引細胞診(頸部、唾液腺、甲状腺)
嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査

研修内容(日程は各病院のスケジュールにより異なる。以下は岐阜大学医学部附属病院例)
専攻医は入院患者の菅理を行う。一般再診に加えて、専門外来(めまい、難聴、補聴器、中耳・人工内耳、鼻、嚥下、音声、音響、味覚、めまいリハビリ)をローテートする。
カンファレンス・回診・講習会などに参加する
 入院予定患者、術前術後のカンファレンス(木曜日 16:00-17:30)
 頭頸部キャンサーボード(月曜日 17:30-18:30)
 放射線治療患者のカンファレンス(隔週月曜日 18:00-19:00)
 嚥下カンファレンス(月曜日 16:00–17:00)
 めまいカンファレンス(月曜日午後)
 聴覚リハビリカンファレンス(隔週火曜日 16:00–16:30)
 総回診(木曜日 14:00-15:30)
 医局会・医局勉強会(火曜日 17:00-18:00)
 化学療法カンファレンス(火曜日 18:00-19:00)
 リサーチミーティング(火曜日 19:00-20:00希望者)
医療倫理、医療安全、感染対策に関する講習会にそれぞれ 2 回以上出席する。
学会または研修会に参加し、日耳鼻が定めた学会において年 1 回以上発表を行う。

喉頭・頭頸部癌重点コース、大学院コース

Basicコースを選択する

◆2年目

Basicコース

研修施設
岐阜県総合医療センター、岐阜市民病院、大垣市民病院、中濃厚生病院、一宮西病院、木沢記念病院、高山赤十字病院、岐阜大学医学部附属病院、朝日大学病院、東北大学病院、国立がん研究センター東病院、国際医療福祉大学 東京ボイスセンターのいずれか

研修期間
2023年 4 月 1 日~2024年 3 月 31 日

一般目標
1年目と同様

行動目標

基本姿勢・態度
研修到達目標(基本姿勢・態度):#1-21

基本的知識
研修到達目標(耳):#22-28
研修到達目標(鼻・副鼻腔):#44-49
研修到達目標(口腔咽喉頭):#65-75
研修到達目標(頭頸部腫瘍):#89-94

基本的診断・治療
研修到達目標(耳):#29-33,35-41,43
研修到達目標(鼻・副鼻腔):#50-64
研修到達目標(口腔咽喉頭):#76-82,88
研修到達目標(頭頸部):#95-100,102-110

経験すべき治療など
術者あるいは助手を務めることができる
 耳科手術(鼓膜切開術、鼓膜チューブ挿入術、鼓室形成術、人工内耳埋め込み術など)
 ※人工内耳手術および術後の聴覚訓練は岐阜大学医学部附属病院において研修する。
 鼻科手術(鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術、内視鏡下鼻副鼻腔手術など)
 口腔咽喉頭手術(口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術、舌・口腔・咽頭腫瘍摘出術、喉頭微細手術など)
 頭頸部腫瘍手術(頸部リンパ節生検、頭頸部腫瘍摘出術など)
緩和医療

経験すべき検査
聴覚検査、平衡機能検査、鼻アレルギー検査、鼻咽腔・喉頭内視鏡査、嗅覚検査、味覚検査、超音波(エコー)検査(頸部、唾液腺、甲状腺)、穿刺吸引細胞診(頸部、唾液腺、甲状腺)、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査など

研修内容(日程は各病院のスケジュールにより異なる)
研修内容は耳鼻咽喉科のプライマリー疾患の診断とその対応に重点を置く。
専攻医は指導医とともに、外来診療と病棟診療を行う。
夜間や休日の当直を行い、各種の救急疾患に対応する。
 院内症例カンファレンス(随時)
 術前・術後カンファレンス(週1回)
医療倫理、医療安全、感染対策に関する講習会にそれぞれ年1回以上は主席する。
学会または研修会に参加し、日耳鼻が定めた学会において年に1回以上は発表を行う。

喉頭・頭頸部癌重点コース、大学院コース

Basicコースを選択する

◆3年目

Basicコース

研修施設
岐阜県総合医療センター、岐阜市民病院、大垣市民病院、中濃厚生病院、一宮西病院、木沢記念病院、高山赤十字病院、岐阜大学医学部附属病院、朝日大学病院、東北大学病院、国立がん研究センター東病院、国際医療福祉大学 東京ボイスセンターのいずれか

期間
2024年 4 月 1 日~2025年 3 月 31 日

一般目標
地域の中核病院において、耳鼻咽喉科領域のプライマリー疾患に対する診断および治療の実地経験、特に耳科手術および鼻科手術を中心とした手術経験を積む。それにより耳鼻咽喉科領域の代表的な疾患や主要症候に適切に対処するべく、これまで習得した知識、技能、態度および臨床問題解決法を発展させ、耳鼻咽喉科専門医としてふさわしい知識と診療能力を身につける。全人的医療の精神に基づいた高い倫理観と豊かな人間性を持ち、専門医として患者さんだけでなくチーム医療を担う自覚と信頼を有する医師となる。

行動目標

基本姿勢・態度
研修到達目標:#1-21

基本的診断・治療
研修到達目標(耳):#29-33,35-41,43
研修到達目標(鼻・副鼻腔):#50-64
研修到達目標(口腔咽喉頭):#76-88
研修到達目標(頭頸部):#95-110

経験すべき検査
超音波検査(頸部、唾液腺、甲状腺)、穿刺吸引細胞診(頸部、唾液腺、甲状腺)、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査、中耳機能検査(鼓膜穿孔閉鎖検査)、補聴器適合検査、顔面神経予後判定(NET、ENoG)など

研修内容
研修内容は耳科手術、頭頸部腫瘍手術経験を積むことに重点を置く。
専攻医は外来および入院患者の診療を行う。入院患者は疾患の病態や経過を適切に評価・管理し、退院の判断を行う。
 院内症例カンファレンス(随時)
 術前・術後カンファレンス(週 1 回)
医療倫理、医療安全、感染対策に関する講習会にそれぞれ年 1 回以上出席する。
学会または研修会に参加し、日耳鼻が定めた学会において年 1 回以上発表を行う。
筆頭著者として学術雑誌に1編以上の論文を執筆する。

喉頭・頭頸部癌重点コース

研修施設
国際医療福祉大学 東京ボイスセンター

期間
2024年 4 月1 日~2026年 3 月 31 日(左記期間中の12カ月)

GIO(一般目標)
山王病院内にある国際医療福祉大学東京ボイスセンターは本邦でも有数の音声治療専門施設である。前年度までの一般耳鼻咽喉科の研修を活かして、耳鼻咽喉科領域のプライマリー疾患に対する診断および治療の実地経験を積むとともに、とくに高度な音声リハビリテーション治療や音声外科治療をはじめとした喉頭疾患の治療を学ぶ。各種の耳鼻咽喉科疾患に対する実地経験を深め、自らが診断および治療方針決定を行う。院内および院外との病病連携、病診連携をとるとともに、他科医師やコメディカル、その他の病院スタッフとのチーム医療を実践する。

SBOs(行動目標)

基本姿勢・態度
研修到達目標(基本姿勢・態度):#1-21

基本的診断・治療
研修到達目標(耳):#33-39,42
研修到達目標(鼻・副鼻腔):#54,60,62,64
研修到達目標(口腔咽喉頭):#78-80,83-85,87
研修到達目標(頭頸部):#101-110

経験すべき治療など
術者あるいは助手を務めることができる
 耳科手術(鼓室形成術、アブミ骨手術など)
 鼻科手術(鼻中隔矯正術、内視鏡下鼻副鼻腔手術など)
 口腔咽喉頭手術(舌・口腔・咽頭腫瘍摘出術、喉頭微細手術、嚥下機能改善手術、誤嚥防止手術など)
 頭頸部腫瘍手術(頸部リンパ節生検、頸部良性腫瘍摘出術、頭頸部腫瘍摘出術など)

経験すべき検査
聴覚検査、平衡機能検査、鼻アレルギー検査、鼻咽腔・喉頭内視鏡査、嗅覚検査、味覚検査、超音波(エコー)検査(頸部、唾液腺、甲状腺)、穿刺吸引細胞診(頸部、唾液腺、甲状腺)、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査など

研修内容
研修内容は耳鼻咽喉科のプライマリー疾患の診断と対応、および耳科手術経験を積むことに重点を置く。
専攻医は指導医とともに外来診療と病棟診療を行い、チーム医療を実践する。
夜間や休日の当直を行い、各種の救急疾患に対応する。
 院内症例カンファレンス(随時)
 術前・術後カンファレンス(週1回)
医療倫理、医療安全、感染対策に関する講習会にそれぞれ年1回以上出席する。
学会または研修会に参加し、日耳鼻が定めた学会において年1回以上発表を行う。

研修施設
国立がん研究センター東病院

期間
2024年 4 月1 日~2026年 3 月 31 日(左記期間中の12カ月)

GIO(一般目標)
プログラムの中期~後期に頭頸部悪性腫瘍の治療に特化し、当該分野での高次医療を担う宮城県がんセンター、国立がん研究センター東病院ないし東北大学病院において、頭頸部悪性腫瘍に対する診断および治療の実地経験を積むとともに、がん治療に携わる他診療科やコメディカルスタッフとのチーム医療に関する理解を深める。加えてがん患者さんならびにご家族への社会的・倫理的対応に関して経験を積むとともに、緩和医療に関して研修を行う。

SBOs(行動目標)

基本姿勢・態度
研修到達目標(基本姿勢・態度):#1-21

基本的知識
研修到達目標(鼻):#44-45
研修到達目標(口腔咽喉頭):#72-75

基本的診断・治療
研修到達目標(鼻):#54,57
研修到達目標(口腔咽喉頭):#77-82,87-88
研修到達目標(頭頸部):#95-100,103,105-106

経験すべき治療など
術者あるいは助手を務めることができる
 鼻科手術(鼻・副鼻腔腫瘍切除術など)
 口腔咽喉頭手術(舌・口腔・咽頭腫瘍摘出術、喉頭微細手術など)
 唾液腺手術(顎下腺腫瘍摘出術、耳下腺腫瘍摘出術など)
 頭頸部腫瘍手術(頸部リンパ節生検、頭頸部腫瘍摘出術、頸部郭清術、喉頭摘出術、甲状腺悪性腫瘍切除術など)
緩和医療

経験すべき検査
鼻咽腔・喉頭内視鏡査、嗅覚検査、味覚検査、超音波(エコー)検査(頸部、唾液腺、甲状腺)、穿刺吸引細胞診(頸部、唾液腺、甲状腺)、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査など

研修内容
研修内容は頭頸部悪性腫瘍の診断とその対応に重点を置く。
専攻医は指導医とともに、外来診療と病棟診療を行う。
夜間や休日の当直を行い、各種の癌救急疾患に対応する。
 関係診療科が集まる多職種合同のカンファレンス(キャンサーボード、週1回)
 入院カンファレンス(週1回)
緩和ケア・病棟回診とカンファランスへの参加
医療倫理、医療安全、感染対策に関する講習会にそれぞれ年1回以上出席する。
学会または研修会に参加し、日耳鼻が定めた学会において年1回以上発表を行う。

大学院コース

研修施設
岐阜大学医学部附属病院

期間
2024年 4 月 1 日~2025年 3 月 31 日

一般目標
特定機能病院において、代表的な耳鼻咽喉科疾患、特に音声・嚥下障害や頭頸部腫瘍に対する診断および治療の実地経験を積む。また、院内および院外との病病連携、病診連携をとるとともに、他科医師やコメディカル、その他の病院スタッフとのチーム医療を担う自覚と信頼を有する医師となる。社会人大学院生として耳鼻咽喉科に関連する臨床研究や基礎研究にも従事し、関連する分野の知識向上を図る。

行動目標

基本姿勢・態度
研修到達目標:#1-21

基本的診断・治療
研修到達目標(耳):#29-43
研修到達目標(鼻・副鼻腔):#50-64
研修到達目標(口腔咽喉頭):#76-88
研修到達目標(頭頸部):#95-110

経験すべき治療など
術者あるいは助手を務めることができる
 耳科手術(鼓膜切開術、鼓膜チューブ挿入術、鼓室形成術、人工内耳手術など)
 鼻科手術(鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術、内視鏡下鼻副鼻腔手術など)
 口腔咽喉頭手術(口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術、舌・口腔・咽頭腫瘍摘出術、喉頭微細手術、嚥下機能改善手術、誤嚥防止手術など)
 頭頸部腫瘍手術(頸部リンパ節生検、頭頸部腫瘍摘出術など)

経験すべき検査
鼻咽腔・喉頭内視鏡査、嗅覚検査、味覚検査、超音波(エコー)検査(頸部、唾液腺、甲状腺)、 穿刺吸引細胞診(頸部、唾液腺、甲状腺)、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査、中耳機能検査(鼓膜穿孔閉鎖検査)、内耳機能検査(ABLBテスト、SISIテスト)、聴性脳幹反応検査、補聴器適合検査、新生児聴覚スクリーニング検査、顔面神経予後判定(NET、ENoG)など

研修内容
専攻医は入院患者の菅理を行う。一般再診に加えて、専門外来(めまい、難聴、補聴器、中耳・人工内耳、鼻、嚥下、音声、音響、味覚、めまいリハビリ)をローテートする。
 入院予定患者、術前術後のカンファレンス(火曜日 17:30-19:00、木曜日 16:00-17:30)
 放射線治療患者のカンファレンス(隔週月曜日 18:00-19:00)
 嚥下カンファレンス(隔週月曜日 17:30–18:00)
 聴覚リハビリカンファレンス(隔週火曜日 16:00–16:30)
 総回診(木曜日 14:00-15:30)
 抄読会(水曜日 7:50-8:20)
 医局会・医局勉強会(火曜日 19:00-20:00)
 医療倫理、医療安全、感染対策に関する講習会にそれぞれ 2 回以上出席する。
学会または研修会に参加し、日耳鼻が定めた学会において年 1 回以上発表を行う。
筆頭著者として学術雑誌に1編以上の論文を執筆する。
さらに社会人大学院へ入学し、基礎研究や臨床研究を行う。

◆4年目

Basicコース

研修施設
岐阜県総合医療センター、岐阜市民病院、大垣市民病院、中濃厚生病院、一宮西病院、木沢記念病院、高山赤十字病院、岐阜大学医学部附属病院のいずれか

期間
2025年 4 月 1 日~2026年 3 月 31 日

一般目標
地域の中核病院において、耳鼻咽喉科領域のプライマリー疾患に対する診断および治療の実地経験、特に耳科手術および鼻科手術を中心とした手術経験を積む。それにより耳鼻咽喉科領域の代表的な疾患や主要症候に適切に対処するべく、これまで習得した知識、技能、態度および臨床問題解決法を発展させ、耳鼻咽喉科専門医としてふさわしい知識と診療能力を身につける。全人的医療の精神に基づいた高い倫理観と豊かな人間性を持ち、専門医として患者さんだけでなくチーム医療を担う自覚と信頼を有する医師となる。

行動目標

基本姿勢・態度
研修到達目標:#1-21

基本的診断・治療
研修到達目標(耳):#29-33,35-41,43
研修到達目標(鼻・副鼻腔):#50-64
研修到達目標(口腔咽喉頭):#76-88
研修到達目標(頭頸部):#95-110

経験すべき検査
超音波(エコー)検査(頸部、唾液腺、甲状腺)、穿刺吸引細胞診(頸部、唾液腺、甲状腺)、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査、中耳機能検査(鼓膜穿孔閉鎖検査)、補聴器適合検査、顔面神経予後判定(NET、ENoG)など

研修内容(日程は各病院のスケジュールにより異なる)
研修内容は耳科手術、頭頸部腫瘍手術経験を積むことに重点を置く。
専攻医は外来および入院患者の診療を行う。入院患者は疾患の病態や経過を適切に評価・管理し、退院の判断を行う。
 院内症例カンファレンス(随時)
 術前・術後カンファレンス(週 1 回)
医療倫理、医療安全、感染対策に関する講習会にそれぞれ年 1 回以上出席する。
学会または研修会に参加し、日耳鼻が定めた学会において年 1 回以上発表を行う。
筆頭著者として学術雑誌に1編以上の論文を執筆する。

喉頭・頭頸部癌重点コース

研修施設
国際医療福祉大学 東京ボイスセンター

期間
2024年 4 月1 日~2026年 3 月 31 日(左記期間中の12カ月)

GIO(一般目標)
山王病院内にある国際医療福祉大学東京ボイスセンターは本邦でも有数の音声治療専門施設である。前年度までの一般耳鼻咽喉科の研修を活かして、耳鼻咽喉科領域のプライマリー疾患に対する診断および治療の実地経験を積むとともに、とくに高度な音声リハビリテーション治療や音声外科治療をはじめとした喉頭疾患の治療を学ぶ。各種の耳鼻咽喉科疾患に対する実地経験を深め、自らが診断および治療方針決定を行う。院内および院外との病病連携、病診連携をとるとともに、他科医師やコメディカル、その他の病院スタッフとのチーム医療を実践する。

SBOs(行動目標)

基本姿勢・態度
研修到達目標(基本姿勢・態度):#1-21

基本的診断・治療
研修到達目標(耳):#33-39,42
研修到達目標(鼻・副鼻腔):#54,60,62,64
研修到達目標(口腔咽喉頭):#78-80,83-85,87
研修到達目標(頭頸部):#101-110

経験すべき治療など
術者あるいは助手を務めることができる
 耳科手術(鼓室形成術、アブミ骨手術など)
 鼻科手術(鼻中隔矯正術、内視鏡下鼻副鼻腔手術など)
 口腔咽喉頭手術(舌・口腔・咽頭腫瘍摘出術、喉頭微細手術、嚥下機能改善手術、誤嚥防止手術など)
 頭頸部腫瘍手術(頸部リンパ節生検、頸部良性腫瘍摘出術、頭頸部腫瘍摘出術など)

経験すべき検査
聴覚検査、平衡機能検査、鼻アレルギー検査、鼻咽腔・喉頭内視鏡査、嗅覚検査、味覚検査、超音波(エコー)検査(頸部、唾液腺、甲状腺)、穿刺吸引細胞診(頸部、唾液腺、甲状腺)、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査など

研修内容
研修内容は耳鼻咽喉科のプライマリー疾患の診断と対応、および耳科手術経験を積むことに重点を置く。
専攻医は指導医とともに外来診療と病棟診療を行い、チーム医療を実践する。
夜間や休日の当直を行い、各種の救急疾患に対応する。
 院内症例カンファレンス(随時)
 術前・術後カンファレンス(週1回)
医療倫理、医療安全、感染対策に関する講習会にそれぞれ年1回以上出席する。
学会または研修会に参加し、日耳鼻が定めた学会において年1回以上発表を行う。

研修施設
国立がん研究センター東病院

期間
2024年 4 月1 日~2026年 3 月 31 日(左記期間中の12カ月)

GIO(一般目標)
プログラムの中期~後期に頭頸部悪性腫瘍の治療に特化し、当該分野での高次医療を担う宮城県がんセンター、国立がん研究センター東病院ないし東北大学病院において、頭頸部悪性腫瘍に対する診断および治療の実地経験を積むとともに、がん治療に携わる他診療科やコメディカルスタッフとのチーム医療に関する理解を深める。加えてがん患者さんならびにご家族への社会的・倫理的対応に関して経験を積むとともに、緩和医療に関して研修を行う。

SBOs(行動目標)

基本姿勢・態度
研修到達目標(基本姿勢・態度):#1-21

基本的知識
研修到達目標(鼻):#44-45
研修到達目標(口腔咽喉頭):#72-75

基本的診断・治療
研修到達目標(鼻):#54,57
研修到達目標(口腔咽喉頭):#77-82,87-88
研修到達目標(頭頸部):#95-100,103,105-106

経験すべき治療など
術者あるいは助手を務めることができる
 鼻科手術(鼻・副鼻腔腫瘍切除術など)
 口腔咽喉頭手術(舌・口腔・咽頭腫瘍摘出術、喉頭微細手術など)
 唾液腺手術(顎下腺腫瘍摘出術、耳下腺腫瘍摘出術など)
 頭頸部腫瘍手術(頸部リンパ節生検、頭頸部腫瘍摘出術、頸部郭清術、喉頭摘出術、甲状腺悪性腫瘍切除術など)
緩和医療

経験すべき検査
鼻咽腔・喉頭内視鏡査、嗅覚検査、味覚検査、超音波(エコー)検査(頸部、唾液腺、甲状腺)、穿刺吸引細胞診(頸部、唾液腺、甲状腺)、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査など

研修内容
研修内容は頭頸部悪性腫瘍の診断とその対応に重点を置く。
専攻医は指導医とともに、外来診療と病棟診療を行う。
夜間や休日の当直を行い、各種の癌救急疾患に対応する。
 関係診療科が集まる多職種合同のカンファレンス(キャンサーボード、週1回)
 入院カンファレンス(週1回)
緩和ケア・病棟回診とカンファランスへの参加
医療倫理、医療安全、感染対策に関する講習会にそれぞれ年1回以上出席する。
学会または研修会に参加し、日耳鼻が定めた学会において年1回以上発表を行う。

大学院コース

研修施設
岐阜大学医学部附属病院

期間
2024年 4 月 1 日~2025年 3 月 31 日

一般目標
特定機能病院において、代表的な耳鼻咽喉科疾患、特に音声・嚥下障害や頭頸部腫瘍に対する診断および治療の実地経験を積む。また、院内および院外との病病連携、病診連携をとるとともに、他科医師やコメディカル、その他の病院スタッフとのチーム医療を担う自覚と信頼を有する医師となる。社会人大学院生として耳鼻咽喉科に関連する臨床研究や基礎研究にも従事し、関連する分野の知識向上を図る。

行動目標

基本姿勢・態度
研修到達目標:#1-21

基本的診断・治療
研修到達目標(耳):#29-43
研修到達目標(鼻・副鼻腔):#50-64
研修到達目標(口腔咽喉頭):#76-88
研修到達目標(頭頸部):#95-110

経験すべき治療など
術者あるいは助手を務めることができる
 耳科手術(鼓膜切開術、鼓膜チューブ挿入術、鼓室形成術、人工内耳手術など)
 鼻科手術(鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術、内視鏡下鼻副鼻腔手術など)
 口腔咽喉頭手術(口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術、舌・口腔・咽頭腫瘍摘出術、喉頭微細手術、嚥下機能改善手術、誤嚥防止手術など)
 頭頸部腫瘍手術(頸部リンパ節生検、頭頸部腫瘍摘出術など)

経験すべき検査
鼻咽腔・喉頭内視鏡査、嗅覚検査、味覚検査、超音波(エコー)検査(頸部、唾液腺、甲状腺)、穿刺吸引細胞診(頸部、唾液腺、甲状腺)、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査、中耳機能検査(鼓膜穿孔閉鎖検査)、内耳機能検査(ABLBテスト、SISIテスト)、聴性脳幹反応検査、補聴器適合検査、新生児聴覚スクリーニング検査、顔面神経予後判定(NET、ENoG)など

研修内容
専攻医は入院患者の菅理を行う。一般再診に加えて、専門外来(めまい、難聴、補聴器、中耳・人工内耳、鼻、嚥下、音声、音響、味覚、めまいリハビリ)をローテートする。
 入院予定患者、術前術後のカンファレンス(火曜日 17:30-19:00、木曜日 16:00-17:30)
 放射線治療患者のカンファレンス(隔週月曜日 18:00-19:00)
 嚥下カンファレンス(隔週月曜日 17:30–18:00)
 聴覚リハビリカンファレンス(隔週火曜日 16:00–16:30)
 総回診(木曜日 14:00-15:30)
 抄読会(水曜日 7:50-8:20)
 医局会・医局勉強会(火曜日 19:00-20:00)
医療倫理、医療安全、感染対策に関する講習会にそれぞれ 2 回以上出席する。
学会または研修会に参加し、日耳鼻が定めた学会において年 1 回以上発表を行う。
筆頭著者として学術雑誌に1編以上の論文を執筆する。
さらに社会人大学院へ入学し、基礎研究や臨床研究を行う。

【研修到達目標】

専攻医は 4 年間の研修期間中に基本姿勢態度・耳領域、鼻・副鼻腔領域、口腔咽喉頭領域、頭頸部領域の疾患について、定められた研修到達目標を達成しなければならない。

年次別の研修到達目標

研修年度 1 2 3 4
基本姿勢・態度
1 患者、家族のニーズを把握できる。
2 インフォームドコンセントが行える。
3 守秘義務を理解し、遂行できる。
4 他科と適切に連携ができる。
5 他の医療従事者と適切な関係を構築できる。
6 後進の指導ができる。
7 科学的根拠となる情報を収集し、それを適応できる。
8 研究や学会活動を行う。
9 生涯学習の姿勢を身につける。
10 医療事故防止および事故への対応を理解する。
11 インシデントリポートを理解し、記載できる。
12 症例提示と討論ができる。
13 学術集会に積極的に参加する。
14 医事法制、保健医療法規・制度を理解する。
15 医療福祉制度、医療保険・公費負担医療を理解する
16 医の倫理・生命倫理について理解し、行動する。
17 感染対策を理解し、実行できる。
18 医薬品などによる健康被害の防止について理解する。
19 医療連携の重要性とその制度を理解する。
20 医療経済について理解し、それに基づく診療実践ができる。
21 地域医療の理解と診療実践ができる(病診・病病連携、地域包括ケア、在宅ケア、在宅医療、地方での医療経験)。
22 側頭骨の解剖を理解できる。
23 聴覚路、前庭系伝導路、顔面神経の走行を理解する。
24 外耳・中耳・内耳の機能について理解する。
25 中耳炎の病態を理解する。
26 難聴の病態を理解する。
27 めまい・平衡障害の病態を理解する。
28 顔面神経麻痺の病態を理解する。
29 外耳・鼓膜の所見を評価できる。
30 聴覚検査を実施し、その所見を評価できる。
31 平衡機能検査を実施し、その所見を評価できる。
32 耳管機能検査を実施し、その所見を評価できる。
33 側頭骨およびその周辺の画像(CT, MRI)初見を評価できる。
34 人工内耳の仕組みと言語聴覚訓練を理解する。
35 難聴患者の診断ができる。
36 めまい・平衡障害の診断ができる。
37 顔面神経麻痺の患者の治療と管理ができる。
38 難聴患者の治療・補聴器指導ができる。
39 めまい・平衡障害患者の治療、リハビリテーションができる。
40 鼓室形成術の助手が務められる。
41 アブミ骨手術の助手が務められる。
42 人工内耳手術の助手が務められる。
43 耳科手術の合併症、副損傷を理解し、術後管理ができる。
鼻・副鼻腔
44 鼻・副鼻腔の解剖を理解する。
45 鼻・副鼻腔の機能を理解する。
46 鼻・副鼻腔炎の病態を理解する。
47 アレルギー性鼻炎の病態を理解する。
48 嗅覚障害の病態を理解する。
49 鼻・副鼻腔腫瘍の病態を理解する。
50 細菌・真菌培養、アレルギー検査を実施し、その所見を評価できる。
51 鼻咽腔内視鏡検査を実施し、その所見を評価できる。
52 嗅覚検査を実施し、その所見を評価できる。
53 鼻腔通気度検査を実施し、その所見を評価できる。
54 鼻・副鼻腔の画像(CT, MRI)所見を評価できる。
55 鼻・副鼻腔炎の診断ができる。
56 アレルギー性鼻炎の診断ができる。
57 鼻・副鼻腔腫瘍の診断ができる。
58 顔面外傷の診断ができる。
59 鼻中隔矯正術、下鼻甲介手術が行える。
60 鼻茸切除術・篩骨洞手術・上顎洞手術などの副鼻腔手術が行える。
61 鼻・副鼻腔腫瘍手術の助手が務められる。
62 鼻出血の止血ができる。
63 鼻科手術の合併症、副損傷を理解し、術後管理ができる。
64 鼻骨骨折、眼窩壁骨折などの外科治療ができる。
口腔咽喉頭
65 口腔、咽頭、唾液腺の解剖を理解する。
66 喉頭、気管、食道の解剖を理解する。
67 扁桃の機能について理解する。
68 摂食、咀嚼、嚥下の生理を理解する。
69 呼吸、発声、発語の生理を理解する。
70 味覚障害の病態を理解する。
71 扁桃病巣感染の病態を理解する。
72 睡眠時呼吸障害の病態を理解する。
73 摂食・咀嚼・嚥下障害の病態を理解する。
74 発声・発語障害の病態を理解する。
75 呼吸困難の病態を理解する。
76 味覚検査を実施し、その所見を評価できる。
77 喉頭内視鏡検査を実施し、その所見を評価できる。
78 睡眠時呼吸検査の結果を評価できる。
79 嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査を実施し、その所見を評価できる。
80 喉頭ストロボスコープ検査・音声機能検査を実施し、その所見を評価できる。
81 口蓋扁桃摘出術、アデノイド切除術ができる。
82 咽頭異物の摘出ができる。
83 睡眠時呼吸障害の治療方針が立てられる。
84 嚥下障害に対するリハビリテーションや外科的治療の適応を判断できる。
85 音声障害に対するリハビリテーションや外科的治療の適応を判断できる。
86 喉頭微細手術を行うことができる。
87 緊急気道確保の適応を判断し、対処できる。
88 気管切開術とその術後管理ができる。
頭頸部腫瘍
89 頭頸部の解剖を理解する
90 頭頸部の生理を理解する。
91 頭頸部の炎症性および感染性疾患の病態を理解する。
92 頭頸部の先天性疾患の病態を理解する。
93 頭頸部の良性疾患の病態を理解する。
94 頭頸部の悪性腫瘍の病態を理解する。
95 頭頸部の身体所見を評価できる。
96 頭頸部疾患に内視鏡検査を実施し、その結果を評価できる。
97 頭頸部疾患に対する血液検査の適応を理解し、その結果を評価できる。
98 頭頸部疾患に対する画像診断の適応を理解し、その結果を評価できる。
99 頭頸部疾患に病理学的検査を行い、その結果を評価できる。
100 頭頸部悪性腫瘍のTNM分類を判断できる。
101 頭頸部悪性腫瘍に対する予後予測を含め、適切な治療法の選択ができる。
102 頸部膿瘍の切開排膿ができる。
103 良性の頭頸部腫瘍摘出(リンパ節生検を含む)ができる。
104 早期頭頸部癌に対する手術ができる。
105 進行頭頸部癌に対する手術(頸部郭清術を含む)の助手が務められる。
106 頭頸部癌の術後管理ができる。
107 頭頸部癌に対する放射線治療の適応を判断できる。
108 頭頸部癌に対する化学療法の適応を理解し、施行できる。
109 頭頸部癌に対する支持療法の必要性を理解し、施行できる。
110 頭頸部癌治療後の後遺症を理解し対応できる。

【症例経験】

専攻医は 4 年間の研修期間中に以下の疾患について、外来あるいは入院患者の管理を受け持ち医として実際に診療経験しなければならない。なお、手術や検査症例との重複は可能である。

難聴・中耳炎 25 例以上、めまい・平衡障害 20 例以上、顔面神経麻痺 5 例以上、アレルギー性鼻炎 10例以上、鼻・副鼻腔炎 10 例以上、外傷・鼻出血 10 例以上、扁桃感染症 10 例以上、嚥下障害 10 例以上、 口腔・咽頭腫瘍 10 例以上、喉頭腫瘍 10 例以上、音声・言語障害 10 例以上、呼吸障害 10 例以上、頭頸部良性腫瘍 10 例以上、頭頸部悪性腫瘍 20 例以上、リハビリテーション(難聴、めまい・平衡障害、顔面神経麻痺、音声・言語、嚥下)10 例以上、緩和医療 5 例以上

【年次別の症例経験基準】

(1)疾患の管理経験:以下の疾患について、外来・入院患者の管理経験を主治医ないし担当医(受け持ち医)として実際に経験し指導医の指導監督を受けます。

基準症例数 研修年度
1 2 3 4
難聴・中耳炎 25 例以上 10 5 5 5
めまい・平衡障害 20 例以上 5 5 5 5
顔面神経麻痺  5 例以上 2 1 1 1
アレルギー性鼻炎 10 例以上 3 3 2 2
副鼻腔炎 10 例以上 5 5
外傷、鼻出血 10 例以上 3 3 2 2
扁桃感染症 10 例以上 3 3 2 2
嚥下障害 10 例以上 3 3 2 2
口腔、咽頭腫瘍 10 例以上 3 3 2 2
喉頭腫瘍 10 例以上 3 3 2 2
音声・言語障害 10 例以上 3 3 2 2
呼吸障害 10 例以上 3 3 2 2
頭頸部良性腫瘍 10 例以上 3 3 2 2
頭頸部悪性腫瘍 20 例以上 6 6 4 4
リハビリテーション(難聴・めまい・平衡障害、顔面神経麻痺、音声・言語、嚥下障害) 10 例以上 2 2 2 4
緩和医療  5 例以上 2 1 1 1

(2)基本的手術手技の経験:術者あるいは助手として経験する((1)との重複は可能)。

耳科手術 20 例以上 鼓室形成術、人工内耳、アブミ骨手術、顔面神経減荷術 5 5 5 5
鼻科手術 40 例以上 内視鏡下鼻副鼻腔手術 10 10 10 10
口腔咽喉頭手術 40 例以上 扁桃摘出術 15 例以上 5 5 5
舌、口腔、咽頭腫瘍摘出術等  5 例以上 2 2 1
喉頭微細手術、嚥下機能改善、誤嚥防止、音声機能改善手術 20 例以上 5 5 5 5
頭頸部腫瘍手術 30 例以上 頸部郭清術 10 例以上 5 3 2
頭頸部腫瘍摘出術(唾液腺、喉頭、頭頚部腫瘤等) 20 例以上 5 5 5 5

【経験すべき検査】

自覚的聴力検査
標準純音聴力検査、自記オージオメーター、標準語音聴力検査、簡易聴力検査、気導純音聴力検査、内耳機能検査、耳鳴検査、中耳機能検査、後迷路機能検査

他覚的または行動観察による聴力検査
鼓膜音響インピーダンス検査、チンパノメトリー、耳小骨筋反射検査、遊戯聴力検査、耳音響放射検査(OAE)、鼓膜音響反射率検査、耳管機能検査、聴性誘発反応検査、聴性定常反応、蝸電図、補聴器適合検査、人工内耳関連検査(神経反応テレメトリー、マッピング、等)

顔面神経検査
ENoG、NET

平衡機能検査
標準検査、注視・自発眼振検査、頭位及び頭位変換眼振検査、重心動揺検査 温度刺激眼振検査、視運動刺激眼振検査、回転眼振検査、視標追跡検査、迷路瘻孔症状検査、電気眼振図

鼻・副鼻腔検査
鼻腔通気度検査、基準嗅力検査、静脈性嗅覚検査、アレルギー性鼻炎関連検査

音声言語医学的検査
喉頭ストロボスコピー、音響分析、音声機能検査

口腔、咽頭検査
電気味覚検査、味覚定量検査(濾紙ディスク法)、ガムテスト、終夜睡眠ポリグラフィー、簡易検査

内視鏡検査
嗅裂部・鼻咽腔・副鼻腔入口部ファイバースコピー、喉頭ファイバースコピー、中耳ファイバースコピー、内視鏡下嚥下機能検査、嚥下造影検査

生検
扁桃周囲炎又は扁桃周囲膿瘍における試験穿刺(片側)、リンパ節等穿刺又は針生検、甲状腺穿刺又は針生検組織試験採取、切採法

【研修到達目標の評価】

研修の評価については、プログラム責任者、指導管理責任者(専門研修連携施設)、指導医、専攻医、専門研修管理委員会(専門研修基幹施設)が行う。
専攻医は指導医および研修プログラムの評価を行い、4:とても良い、3:良い、2:普通、1:これでは困る、0:経験していない、評価できない、わからない、で評価する。
指導医は専攻医の実績を研修到達目標にてらして、4:とても良い、3:良い、2:普通、1:これでは困る、0:経験していない、評価できない、わからない、で評価する。
研修管理委員会(プログラム責任者と指導管理責任者)で内部評価を行う。
領域専門研修管理委員会で内部評価を受ける。
サイトビジットによる外部評価を受け、プログラムの必要な改良を行う。

【専門研修管理委員会について】

専門研修基幹施設である岐阜大学医学部附属病院には、耳鼻咽喉科専門研修プログラム管理委員会と、統括責任者を置く。
専門研修連携施設群には、専門研修連携施設指導管理責任者と委員会組織が置かれる。
専門研修関連施設には、専門研修関連施設指導責任者(耳鼻咽喉科専門医)が置かれる。
岐阜大学医学部附属病院耳鼻咽喉科専門研修プログラム管理委員会は、統括責任者(委員長)、副委員長、事務局代表者、耳鼻咽喉科・頭頸部外科の 4 つの専門分野(耳、鼻・副鼻腔、口腔・咽喉頭、頭頸部腫瘍)の研修指導責任者で構成される。
研修プログラムの改善へ向けての会議には専門医取得直後の若手医師代表が加わる。
専門研修プログラム管理委員会は、専攻医および専門研修プログラム全般の管理と、専門研修プログラムの継続的改良を行う。

【専攻医の就業環境について】

専門研修基幹施設、専門研修連携施設、専門研修関連施設の耳鼻咽喉科責任者は専攻医の労働環境改善に努める。
専攻医の勤務時間、休日、当直、給与などの勤務条件については、労働基準法を遵守し、各施設の労使協定に従う。さらに、専攻医の心身の健康維持への配慮、当直業務と夜間診療業務の区別とそれぞれに対応した適切な対価を支払うこと、バックアップ体制、適切な休養などについて、勤務開始の時点で説明を行う。
研修年次毎に専攻医および指導医は専攻医指導施設に対する評価も行い、その内容は岐阜大学医学部附属病院専門研修管理委員会に報告されるが、そこには労働時間、当直回数、給与など、労働条件についての内容が含まれる。

【専門研修プログラムの改善方法】

岐阜大学医学部附属病院耳鼻咽喉科研修プログラムでは専攻医からのフィードバックを重視して研修プログラムの改善を行う。

(1)専攻医による指導医および研修プログラムに対する評価
専攻医は、年次毎に指導医、専攻医指導施設、専門研修プログラムに対する評価を行う。また、指導医も専攻医指導施設、専門研修プログラムに対する評価を行う。専攻医や指導医等からの評価は、研修プログラム管理委員会に提出され、研修プログラム管理委員会は研修プログラムの改善に役立てる。このようなフィードバックによって専門研修プログラムをより良いものに改善する。
専門研修プログラム管理委員会は必要と判断した場合、専攻医指導施設の実地調査および指導を行う。評価にもとづいて何をどのように改善したかを記録し、毎年 3 月 31 日までに日本専門医機構の耳鼻咽喉科専門研修委員会に報告する。

(2)研修に対する監査(サイトビジット等)・調査への対応
専門研修プログラムに対して日本専門医機構からサイトビジット(現地調査)が行われる。その評価にもとづいて専門研修プログラム管理委員会で研修プログラムの改良を行なう。専門研修プログラム更新の際には、サイトビジットによる評価の結果と改良の方策について日本専門医機構の耳鼻咽喉科研修委員会に報告する。

【修了判定について】

4 年間の研修期間における年次毎の評価表および 4 年間の実地経験目録にもとづいて、知識・技能・態度が専門医試験を受けるのにふさわしいものであるかどうか、症例経験数が日本専門医機構の耳鼻咽喉科領域研修委員会が要求する内容を満たしているものであるかどうかを、専門医認定申請年(4 年目あるいはそれ以後)の3月末に研修プログラム統括責任者または専門研修連携施設担当者が研修プログラム管理委員会において評価し、研修プログラム統括責任者が修了の判定をする。

【専攻医が修了判定に向けて行うべきこと】

修了判定のプロセス
専攻医は専門研修プログラム統括責任者の修了判定を受けた後、日本専門医機構の耳鼻咽喉科専門医委員会に専門医認定試験受験の申請を行う。なお、病棟の看護師長など少なくとも医師以外の他職種のメディカルスタッフ1名以上からの評価も受けるようにする。

【専門研修施設とプログラムの認定基準】

専門研修基幹施設
岐阜大学医学部附属病院耳鼻咽喉科は以下の専門研修基幹施設認定基準を満たしている。

(1)初期臨床研修の基幹型臨床研修病院の指定基準を満たす病院である。

(2)プログラム統括責任者1名と専門研修指導医4名以上が配置されていること。ただし、プログラム統括責任者と専門研修指導医の兼務は可とする。

(3)原則として年間手術症例数が 200 件以上ある。

(4)他の診療科とのカンファランスが定期的に行われている。

(5)専門研修プログラムの企画、立案、実行を行い、専攻医の指導に責任を負える。

(6)専門研修連携施設を指導し、研修プログラムに従った研修を行う。

(7)臨床研究・基礎研究を実施し、公表した実績が一定数以上ある。

(8)施設として医療安全管理、医療倫理管理、労務管理を行う部門を持つ。

(9)施設実地調査(サイトビジット)による評価に対応できる体制を備えている。

専門研修連携施設および専門研修関連施設
岐阜大学医学部附属病院耳鼻咽喉科専門研修プログラムの施設群を構成する専門研修施設は以下の条件を満たし、かつ、当該施設の専門性および地域性から専門研修基幹施設が作成した専門研修プログラムに必要とされる施設である。

(1)専門性および地域性から当該研修プログラムで必要とされる施設である。

(2)専門研修基幹施設が定めた研修プログラムに協力して、専攻医に専門研修を提供する。

(3)専門研修連携施設は指導管理責任者(専門研修指導医の資格を持った診療科長ないしはこれに準する。

   者)1 名 と専門研修指導医 1 名以上が配置されている。ただし、専門研修指導管理責任者と専門研修指導医の兼務は可とする。専門研修関連施設は耳鼻咽喉科専門医の資格を持った診療部長1 名が配置されている。

(4)症例検討会を行っている。

(5)指導管理責任者は当該研修施設での指導体制、内容、評価に関し責任を負う。

専門研修施設群の構成要件
岐阜大学医学部附属病院耳鼻咽喉科研修プログラムの専門研修施設群は、専門研修基幹施設と専門研修連携施設および専門研修関連施設が効果的に協力して一貫した指導を行うために以下の体制を整える。

(1)専門研修が適切に実施・管理できる体制である。

(2)専門研修施設は一定以上の診療実績と専門研修指導医(関連施設では耳鼻咽喉科専門医)を有する

(3)研修到達目標を達成するために専門研修基幹施設と専門研修連携施設および専門研修関連施設ですべての専門研修項目をカバーできる。

(4)専門研修基幹施設と専門研修連携施設および専門研修関連施設の地理的分布に関しては、地域性も考慮し、都市圏に集中することなく地域全体に分布し、地域医療を積極的に行っている施設を含む。

(5)専門研修基幹施設や専門研修連携施設および専門研修関連施設に委員会組織を置き、専攻医に関する情報を最低6カ月に一度共有する。

専門研修施設群の地理的範囲
岐阜大学医学部附属病院耳鼻咽喉科研修プログラムの専門研修施設群は岐阜県および愛知県の施設群である。施設群の中には、地域中核病院や地域中小病院(過疎地域も含む)が入っている。

専攻医受入数についての基準
各専攻医指導施設における専攻医受け入れ人数は専門研修指導医数、診療実績を基にして決定する。

(1)専攻医受入は、専門研修指導医の数、専門研修基幹施設、専門研修連携施設、専門研修関連施設の症例数、専攻医の経験症例数および経験執刀数が十分に確保されていなければ、専門研修を行うことは不可能である。そのため専門研修基幹施設、専門研修連携施設、専門研修関連施設の症例数、専攻医の経験症例数および経験執刀数から専攻医受入数を算定する。

(2)専門研修指導医の数からの専攻医受入の上限については学年全体(4 年間)で指導医1 人に対し、専攻医3人を超えない。

(3)専攻医の地域偏在が起こらないよう配慮する。
この基準に基づき毎年 5名程度を受入数とする。

診療実績基準
岐阜大学医学部附属病院耳鼻咽喉科研修プログラムの専門研修コースは以下の診療実績基準を満たしている。プログラム参加施設の合計として以下の手術件数ならびに診療件数を有する。

(1)年間 400 件以上の手術件数

(2)頭頸部外科手術 年間 50 件以上

(3)耳科手術(鼓室形成術等) 年間 50 件以上

(4)鼻科手術(鼻内視鏡手術等) 年間 50 件以上

(5)口腔・咽喉頭手術 年間 80 件以上
診療件数(総受入人数x基準症例の診療件数) (以下総受入人数が4人の場合)
難聴・中耳炎 100 件以上
めまい・平衡障害 80 件以上
顔面神経麻痺 20 件以上
アレルギー性鼻炎 40 例以上
副鼻腔炎 40 例以上
外傷、鼻出血 40 例以上
扁桃感染症 40 例以上
嚥下障害 40 例以上
口腔、咽頭腫瘍 40 例以上
喉頭腫瘍 40 例以上
音声・言語障害 40 例以上
呼吸障害 40 例以上
頭頸部良性腫瘍 40 例以上
頭頸部悪性腫瘍 80 例以上
リハビリテーション 40 例以上
緩和医療 20 例以上
なお、法令や規定を遵守できない施設、サイトビジットにてのプログラム評価に対して、改善が行われない施設は認定から除外される。

【耳鼻咽喉科研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の条件】

専攻医は原則、耳鼻咽喉科領域専門研修カリキュラムに沿って専門研修基幹施設や専門研修連携施設にて 4 年以上の研修期間内に経験症例数と経験執刀数をすべて満たさなければならない。

(1) 専門研修の休止

   ア)休止の理由
専門研修休止の理由として認めるものは、傷病、妊娠、出産、育児、その他正当な理由(専門研修プログラムで定められた年次休暇を含む)とする。

   イ)必要履修期間等についての基準
研修期間(4年間)を通じた休止期間の上限は6カ月(研修施設において定める休日は含めない)とする。

   ウ)休止期間の上限を超える場合の取扱い
専門研修期間終了時に当該専攻医の研修の休止期間が6カ月を超える場合には未修了とする。この場合、原則として引き続き同一の専門研修プログラムで研修を行う。休止期間が6カ月を超え1年以内の場合は、研修期間を1年延長する。1年を超える休止の場合は、1年単位でさらに延長する。
また、症例経験基準、手術経験基準を満たしていない場合にも、未修了として取扱い、原則として引き続き同一の研修プログラムで当該専攻医の研修を行い、不足する経験基準以上の研修を行うことが必要である。

(2)専門研修の中断
専門研修の中断とは、専門研修プログラムに定められた研修期間の途中で専門研修を中止することをいうものであり、原則として専門研修プログラムを変更して専門研修を再開することを前提としたものである。履修期間の指導、診療実績を証明する文書の提出を条件とし、プログラム統括責任者の理由書を添えて、日本専門医機構に提出、当該領域での審査を受け、認められれば、研修期間にカウントできる。

(3)プログラムの移動には専門医機構内の領域研修委員会への相談が必要である。

(4)プログラム外研修の条件
留学、診療実績のない大学院の期間は研修期間にカウントできない。その期間については休止の扱いとする。同一領域(耳鼻咽喉科領域)での留学、大学院で、診療実績のあるものについては、その指導、診療実績を証明する文書の提出を条件とし、プログラム責任者の理由書を添えて、日本専門医機構に提出、当該領域での審査を受け、認められれば、研修期間にカウントできる。
*専門研修の休止・中断、プログラム移動、プログラム外研修の詳細な条件については添付文書参照。

【専門研修プログラム管理委員会】

専門研修基幹施設である岐阜大学医学部附属病院には、専門研修プログラム管理委員会を置く。プログラム管理委員会は以下の役割と権限を持つ。

(1)専門研修プログラムの作成を行う。

(2)専門研修基幹施設、専門研修連携施設において、専攻医が予定された十分な手術経験と学習機会が得られているかについて評価し、個別に対応法を検討する。

(3)適切な評価の保証をプログラム統括責任者、専門研修連携施設担当者とともに行う。

(4)修了判定の評価を委員会で行う。

本委員会は年1回の研修到達目標の評価を目的とした定例管理委員会に加え、研修施設の管理者やプログラム統括責任者が研修に支障を来す事案や支障をきたしている専攻医の存在などが生じた場合、必要に応じて適宜開催する。

プログラム統括責任者の基準、および役割と権限

(1)プログラム統括責任者は専門研修指導医としての資格を持ち、専門研修基幹施設当該診療科の責任者あるいはそれに準ずる者である。

(2)医学教育にたずさわる経歴を有し、臨床研修プログラム作成に関する講習会を修了していることが望ましい。

(3)専攻医のメンタルヘルス、メンター等に関する学習経験があることが望ましい。

(4)その資格はプログラム更新ごとに審査される。

(5)役割はプログラムの作成、運営、管理である。

専門研修連携施設での委員会組織

(1)専門研修連携施設の指導責任者は専門研修基幹施設のプログラム管理委員会のメンバーであると同に、専門研修連携施設における指導体制を構築する。

(2)専門研修連携施設で専門研修にあたっている専攻医の研修実績ならびに専門研修の環境整備について3カ月評価を行う。

(3)研修が順調に進まないなどの課題が生じた場合にはプログラム管理委員会に提言し、対策を考える。

【専門研修指導医の基準】

専門研修指導医は以下の要件を満たす者とする。専門研修指導医は専攻医を育成する役割をになう。

(1)専門医の更新を1回以上行った者、ただし領域専門医制度委員会にて同等の臨床経験があると認めた者を含める。

(2)年間 30 例以上の手術に指導者、術者、助手として関与している者

(3)2編以上の学術論文(筆頭著者)を執筆し、5回以上の学会発表(日耳鼻総会・学術講演会、日耳鼻専門医講習会、関連する学会、関連する研究会、ブロック講習会、地方部会学術講演会)を行った者

(4)専門研修委員会の認定する専門研修指導医講習会を受けている。

(5)専門研修指導医資格の更新は、診療・研修実績を確認し5年ごとに行う。

【専門研修実績記録システム、マニュアル等について】

研修実績および評価の記録
専攻医の研修実績と評価を記録し保管するシステムは耳鼻咽喉科専門研修委員会の研修記録簿(エクセル形式*資料添付)を用いる。専門研修プログラムに登録されている専攻医の各領域における手術症例蓄積および技能習得は定期的に開催される専門研修プログラム管理委員会で更新蓄積される。専門研修委員会ではすべての専門研修プログラム登録者の研修実績と評価を蓄積する。

プログラム運用マニュアルは以下の専攻医研修マニュアルと指導者マニュアルを用いる。

・専攻医研修マニュアル
別紙「専攻医研修マニュアル」参照。

・指導者マニュアル
別紙「指導医マニュアル」参照。

・研修記録簿
研修記録簿に研修実績を記録し、一定の経験を積むごとに専攻医自身が形成的評価を行い記録する。少なくとも3カ月に 1 回は形成的評価により、自己評価を行う。

・指導医による指導とフィードバックの記録
専攻医に対する指導内容は、統一された専門研修記録簿(エクセル方式)に時系列で記載して、専攻医と情報を共有するとともに、プログラム統括責任者およびプログラム管理委員会で定期的に評価し、改善を行う。

(1)専門研修指導医は3カ月ごとに評価する。

(2)プログラム統括責任者は6カ月ごとに評価する。

【研修に対するサイトビジット(訪問調査)について】

専門研修プログラムに対して日本専門医機構からのサイトビジットがある。サイトビジットにおいては研修指導体制や研修内容について調査が行われる。その評価は専門研修プログラム管理委員会に伝えられ、プログラムの必要な改良を行う。