会長挨拶

第23回 日本糖尿病インフォマティクス学会 年次学術集会

会長 矢部大介

東海国立大学機構 岐阜大学

大学院医学系研究科 研究科長補佐、糖尿病・内分泌代謝内科学/膠原病免疫内科学 教授
医学部附属病院 副病院長、糖尿病代謝内科/免疫・内分泌内科 科長、医療情報部長
高等研究院 One Medicineトランスレーショナルリサーチセンター センター長
高等研究院 先制食未来研究センター 副センター長
学術研究・産官学連携推進本部 副本部長

東海国立大学機構 One Medicine創薬シーズ開発・育成研究教育拠点 拠点長
東海国立大学機構 健康医療データ統合研究教育拠点 副拠点長

この度、第23回日本糖尿病インフォマティクス学会年次学術集会を2023年8月19日、20日、岐阜市じゅうろくプラザ(岐阜市文化産業交流センター)にて開催させていただくこととなりました。

本年次学術集会では「健康医療データを駆使する糖尿病の発症・重症化予防の未来」をテーマとさせていただきました。わが国では、データサイエンス事業の推進により、健康・医療分野においてレセプトや健診データが集積されると共に、J-DREAMSやJ-DOME、JDDMなど糖尿病診療に関するデータベースが構築されてきました。さらにIoTやICTの普及により、血糖や体重だけでなく日々の食事や運動の状況を含め個人の健康・医療情報の収集がすすめられつつあります。しかるに、個々のデータが未だ分散され、相互連携が十分でないため、必ずしも保健や医療の現場においてデータの利活用が十分とはいえません。このような背景から、糖尿病の発症・重症化予防に対して、集積された多様な健康医療データを如何に利活用すべきか、糖尿病診療に携わる医師やCDE等や特定保健指導や糖尿病性腎症重症化予防プログラムに携わる保健師や管理栄養士等が、データサイエンティストや企業等と有機的に連携し、糖尿病のある人やその予備軍の方々、ご家族ともお話をしながら、戦略を考えていく必要性を強く感じます。本学術集会では糖尿病の発症・重症化予防のために働く様々な人達が一同に会して、日々集積される健康医療データを糖尿病の発症・重症化予防に最大活用する方法を議論し、学ぶことができるよう特別講演や教育講演、シンポジウム、ハンズオンセミナー、セミナー、口演等を準備しております。

岐阜で本学会の年次学術集会が開催されるのは、前任の武田純教授が、2014年に本学会の前身である日本糖尿病情報学会の第14回年次学術集会を開催されて以来となります。新型コロナウイルス感染症終息に目途がたたないため、ハイブリッド開催にて、国内外から多数の方々にご参加いただけるよう工夫すると共に、感染症対策に十分に配慮した上で従来のFace-to-Faceによる密度の高い議論が可能な集会をめざしたいと考えております。また鵜飼や飛騨牛をはじめ岐阜ならではのおもてなしで皆様をお迎えすべく、教室員一丸となり鋭意準備をしています。本学術集会が、皆様にとって実り多い会となりますよう、ご指導ご支援のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

2023年1月吉日