医学研究科大学院担当講義

 

 個体を構成する細胞が様々な外来刺激に的確に応答し、固有の機能を発現することにより生体の恒常性は維持されている。したがって、細胞刺激応答のメカニズムを正しく理解することは、基礎医学のみならず臨床医学研究においても極めて重要である。細胞の刺激応答メカニズムを正しく理解することを目的として、以下の講義を担当する。

・コア科目 細胞情報伝達
 ペプチドホルモンなど、膜受容体を介する細胞内情報伝達機構の関する基礎知識を講義する。受容体の構造と機能を理解し、細胞内情報伝達系もGタンパク質を介する系、キナーゼを介する系などに分類して理解でき、分泌などの即時型応答から、増殖などの中長期応答のメカニズムを分類して説明できる能力を育成することを目的とする。

・分子・構造学領域開講科目 細胞情報学
 細胞シグナルの中でも、特に細胞の生・死の制御に関わる情報伝達機構についての基礎知識を講義する。がん細胞ではアポトーシスを効率よく誘導することが、一方虚血部位や劇症肝炎ではアポトーシスを抑制することが予防や治療につながることから、細胞の生と死のシグナルメカニズムについて理解することは、基礎のみならず臨床医学研究においても極めて重要である。細胞の生存および死に関する基本事項を修得することを目的とする