コラム

神経所見・検査所見

2019.02.25

Redundant Nerve Roots signは腰椎脊柱管狭窄症の予後不良因子である

Redundant Nerve Roots (RNR;余剰神経根)についてカンファレンスで議論しました.MRI T2強調画像で,馬尾のあたりが図のように曲がりくねり,一部,点状にも見える所見です.水平断では横に走行する馬尾も見えますので,矢状断で点状に見えることも頷けます.1960年代の終り,間欠性跛行を呈する症例に対して脊髄造影を行うと,蛇行する陰影欠損がみられ,手術をすると馬尾神経が「蛇がとぐろをまいている」所見が世界各地で相次いで報告され,この名称が使われました.剖検でもRNRは圧迫により力が加えられ肥大した神経根が,そり曲がり,たわんだ状態になっていることが確認されました.昨年,腰部脊柱管狭窄症におけるRNRの意義についてのメタ解析が報告され,RNR陽性症例は,高齢で,罹病期間が長く,狭窄が高度であること,また術後の回復も不良であることが示されました.つまり腰椎脊柱管狭窄症の予後不良因子と言えます.ブログに詳細を記載しました.
Clin Neurol Neurosurg 174;40-47,2018; Arq Neuro-Psiquiatr 72;2014

http://qq4q.biz/SGXW

一覧へ戻る