コラム

医療と医学

2019.11.12

3年生の神経学集中講義での工夫

医学部3年生に対する2週間の集中講義が始まりました.Neurophobiaという言葉がありますが,難しい神経解剖学の試験勉強の苦い経験から,神経学に苦手意識をもってしまう学生も少なくありません.これを防ぐために臨床神経学の面白さを伝える必要があります. マギル大学のCote 教授とも意見が一致しましたが,医学部教育では神経診察を徹底的に教え込むことが大切です.ただし学生が関心を持てるような工夫が必要です.実演したり,動画を見せたり,日常生活で見られる神経徴候(洗面現象,Sucking candy signなど)や神経診察に関わる逸話を話したりします.OSCEレベルで,冠名のついた徴候としてロンベルグやバビンスキーが出てきますが,神経梅毒やヒステリーを鑑別するときに見出したという話をします.マン試験は厄介で,廣瀬源次郎先生の教科書にもありますが,日本以外では通用しないことも話します.そして早い学年から医学用語を英語で覚えることを意識させます.初日のミニテストでは,脳神経12本を英語で書くよう出題し,みんな四苦八苦していました.先生方の講義の工夫などありましたら教えて下さい!

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