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VOICE-岐大医学部から- 病原体制御学分野からのメッセージ

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『VOICE-岐大医学部から-』第84回は、2017年3月に就任されました、医学系研究科 再生分子統御学講座 病原体制御学分野 教授 永井 宏樹先生にお話を伺いました。

■どのような研究を行っていますか?

永井教授
略 歴             
1986年 京都大学理学部 卒業
1991年 京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了・理学博士
    日本学術振興会特別研究員(PD)、国立遺伝学研究所構造遺伝学研究センター助手を経て
1999年 米国エール大学 留学
2004年 より大阪大学微生物病研究所 特任助教授・特任准教授・准教授
2017年 より現職

 数ある微生物の中でなぜ一部の細菌はヒトなどに病気を起こすのか、そのメカニズムを知りたいと考えて研究を行ってきました。古くから、ある種の病原菌が病気を引き起こすのに、細菌から放出される細菌毒素というものが重要であるということは知られていましたし、実際、例えばDPTワクチンはジフテリア、百日咳、破傷風をよく予防することができます。このような毒素タンパク質は、菌体外へ一旦分泌されたのちに宿主細胞に侵入するという作用機序を持ちます。

 ところが、その後の生命科学の進展により分子レベルでの研究が進むと、毒素というのは細菌による病原性を考える上で実は氷山の一角にしか過ぎず、私達の領域でエフェクタータンパク質と呼ばれる、細菌から直接宿主細胞へ注入されて機能するタンパク質が多数存在しており、これらが実は中心的な役割を果たしているんだということが判ってきました。

 私達は、主にヒトに肺炎を引き起こすレジオネラという病原菌をモデルとして、エフェクタータンパク質にはどんなものがあって、何をやっているのか、また、エフェクタータンパク質を輸送する分泌装置はどのような形をしており、どのように機能しているのか、について最先端の研究を行ってきたつもりです。
    

■教室をどのようにもり立てていきたいですか?

 基礎領域で研究をやる以上、世界に互していける内容でないと意味がありません。しかしながら私が学生だった頃と比較すると、我が国のアカデミアの環境は年々厳しくなってきていると感じています。研究費という面ではありません。優秀な学生ほど、医学部だと臨床へ、他学部では企業へと進み、アカデミアという選択肢は敬遠されています。海外に目を向けると、中国はこの10年ほどの間の研究投資により相当な脅威として育ってきており、このままでは日本には勝ち目がないとすら感じられます。

 私達、またチームジャパンの強い領域をうまく活かして、世界の最先端を目指していきたいと思います。そのためには学内外でのネットワーク形成が重要となってきます。教室員・学生のみなさんには国内外を問わず、積極的に様々なミーティングに参加し、視野を広げていって欲しいと思います。

 

■医師を目指す学生へのメッセージ

 私自身、大学に入学したときは、将来物理学者か数学者になるつもりでした(もっとも、私には特に数学の才能が決定的に欠けていることは、入学して数ヶ月で自覚させられましたが...)。私が学生時代を過ごした学部は、何を専攻するかについては卒業までに決めればいい、というような非常におおらかなところであったから今があるわけですが、医学部に入学された皆さんのほとんどは、将来医師になるという確固たる目標をお持ちだと思います。CBT, OSCE, 国試などクリアしなければならない関門がたくさんあり、これまでの勉強の延長で考えていると、得てして試験対策に走ってしまいがちかもしれません。試験なのだから、ある程度の対策をする必要があるのは当然ではありますが、学生時代に学んでほしいことはそういうことではありません。

 基礎医学領域での研究経験というと、将来臨床医としてはあまり役立たないとお思いかもしれませんが、実際真剣に研究に取り組んでみれば、文献マイニングや研究室内外でのコミュニケーションスキル、研究プランの策定、実際の実験、結果の解釈に必要な論理的思考力など多面的な能力が鍛えられることは間違いありません。そもそも「おもろい」と思っているからこそ何十年も研究生活を送ってきたわけです。

 テュートリアル配属などの機会も用意されていますし、余暇の時間、あるいは長期休暇の間に研究に触れてみる事もできます。私達の門戸は常に開かれています。

    

 

 


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