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VOICE -岐大医学部から- 医学部附属病院呼吸器外科からのメッセージ

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『VOICE-岐大医学部から-』第82回は、医学部附属病院 呼吸器外科 教授 岩田 尚 先生にお話をお伺いしました。

■ 初の病院教授としての抱負をお願いします。

岩田教授
略 歴             
1989年 岐阜大学医学部医学科 卒業
1993年 岐阜大学大学院医学研究科(外科系専攻) 修了(在学中大阪大学医学部バイオメディカル教育研究センターバイオ腫瘍発生講座研修)
1993年 岐阜赤十字病院 外科医師
1994年 岐阜大学医学部附属病院 第一外科 医員
同 年 米国 南カリフォルニア大学留学(メティック移植研究所 在外研究員)
1997年 岐阜赤十字病院 外科医師
1998年 岐阜大学医学部附属病院 第一外科 助手
同 年 岐阜大学医学部 外科学第一講座 助手
2000年 岐阜大学医学部附属病院 第一外科 講師
2006年 同 臨床准教授
2009年 同 臨床教授
2011年 岐阜大学大学院医学系研究科 高度先進外科学分野 准教授
2017年 1月より現職

 現代の様々な診療に対応するために、岐阜大学が附属病院に教授職を置いた初の試みとして、呼吸器外科教授を拝命したことは、大変光栄であると同時にその責任の重さを感じております。

 全国の呼吸器外科専門医は、2016年4月において1384名であり、人口100万人あたり10.9名です。岐阜県は13名、6.3名/100万人であり、都道府県別では下から3番目の順位です。しかもその13名も美濃地方に集中しており、飛騨地方には一人もいません。

 この背景から、当院が岐阜県の呼吸器外科診療の拠点となることが求められていると思います。そのため附属病院に「呼吸器センター」も同時に設置され、センター長としてその立ち上げを担いました。呼吸器内科、放射線科としっかりと連携し、「最先端の呼吸器疾患診療を提供し、地域医療に貢献すること」を目標に、謙虚に努力していきたいと思います。県下一の肺癌手術症例数を維持しその臨床成績を常に向上させるように尽力したいと思います。

    

■ 医師を目指したきっかけは?

 私は、岐阜県生まれの岐阜育ちです。父親は国文学者であり、本居宣長の研究家でした。その影響もあり幼少時は文学者になることも夢見ておりました。父親より「宣長や森鴎外も医師であった」と聞かされ、二人の兄も医学の道(呼吸器内科医と病理医)に進んだことから、自分もその道になんとなく入ったのがきっかけといえると思います。

 外科医を選択したのは、そのイメージがカッコよかった事と、「手術で治す!」といった原始的な方法に純粋に憧れを持ったことです。「呼吸器外科」を専門としたのは、当時の主任教授(心臓血管外科専門)に「心臓外科をやる前に、まず肺からやれ!」と言われ、素直にそれに従ったという誰かに自慢できるような逸話もない主体性のないものでした。

 

 ■ どのような研究を行っていますか?

岩田教授

 大学卒業後にただちに大学院に入学しました。その頃、臨床では心臓移植が日本で再開され、多くの外科学教室では拒絶反応や臓器保護の研究が盛んでした。

 私は、大阪大学医学部バイオ腫瘍発生学教室に国内留学し、移植免疫学を専攻しました。拒絶反応の研究およびT細胞の活性化のメカニズムを勉強しました。その後、遺伝子導入の研究を大学院の後輩の方々と進めてきました。

 現在は臨床医として、「低侵襲手術」を中心とした手術法の開発に尽力しております。肺癌における肺葉切除術を内視鏡や手術支援ロボットを用いて施行することや根治性を損なわずに肺機能を肺葉切除術より温存する区域切除術に関する術式を開発しております。また、臨床症例を集積してエビデンスを発信していく他施設共同研究にも積極的に取り組んでおります。

 一方で、大学院時代に学んだT細胞の活性化の制御が、現在の免疫チェックポイント阻害剤に通じていることは大変興味深く感じています。

 

 ■ 医師を目指す学生にメッセージをお願いします。

岩田教授

 医学部の学生さんに接していて感じることですが、非常にスマートで、頭の回転も早いので情報処理能力は極めて高いと思います。一方で、スマートであるがゆえに、物事を記憶に頼る傾向が強いと思います。

 臨床においては、時に知識だけでは分からないことがたくさんあります。論理的に組み立て分析し結論を出していく過程が重要となる場合もあります。そのような意味で、基礎医学を含む学位研究は良いトレーニングになると思います。非常に狭い領域である専門医取得を最短コースで取得することばかりに執心するのではなく、広く医学を勉強してほしいと思います。

 また、将来、外科医を志す学生さん、研修医には、まずは幅広く外科学を理解し、幅広い手術を体験してください。もう到来している高齢化社会の外科診療に対応するためには、そのような足腰が強い外科医となることが重要だと思います。岐阜県の外科地域医療を支える素晴らしい人材となってください。

 

 


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