岐阜大学医学系研究科・医学部


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VOICE -岐大医学部から- 退職教授からのメッセージ

森脇 久隆 教授

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『VOICE-岐大医学部から-』第58回は、平成26年3月をもって医学系研究科を退職され、同年4月に岐阜大学学長に就任された前 腫瘍制御学講座 消化器病態学分野 教授 森脇 久隆先生にお話を伺いました。

■ 教員生活を振り返って

森脇教授
略 歴
1976年 岐阜大学医学部 卒業
1984年 岐阜大学医学部附属病院 助手
1985年 コロンビア大学 留学
1988年 岐阜大学医学部附属病院 講師
1989年 岐阜大学医学部 助教授
1997年 同 教授
2002年 岐阜大学医学部附属病院 副病院長
同 光学医療診療部長
2003年 同 生体支援センター長
2006年 同 病院長
2011年 同 肝疾患診療支援センター長
2014年 医学系研究科を退職、岐阜大学学長に就任

教育面では、医学教育の体制が大きく変わる時期に、学部内で教育を直接担当する教務厚生委員長の職務に就いたことが、一番思い出深いです。

90年代後半から文部科学省で新しい医学教育の体制が話し合われ、CBT(コンピュータを用いた知識・問題解決能力の客観評価試験)やOSCE(客観的臨床技能試験)を実施するための委員会に参加しました。

その後、現在のような医学教育モデル・コア・カリキュラムが策定され、これに基づき各大学が独自の講義や臨床実習を行っています。医学教育の醍醐味を感覚的に捉えることができ、とても興味深かったです。

研究面では、先代の教授から一貫して消化器がんの予防を大きなテーマとしており、特に肝疾患の薬の研究開発に取り組み、2種類の薬を開発しました。1つは3種類のアミノ酸をバランスよく組み合わせた分岐鎖アミノ酸製剤で、肝臓の機能を改善させ、一部の肝臓がんを予防できる効果が確認できています。

もう1つは、非環式レチノイドを用いた薬で、発がんのプロセスを制御し発症を抑える薬です。こちらは、数年のうちに厚生労働省から認可されるのではないかと思います。

これらの薬の開発には、20年にもおよぶ長いストーリーがあります。大学発の創薬がキーワードのように謳われていますが、極めて難しいことであると身をもって体験したと共に、新しい薬を患者さんの元に届けられたことは、研究者冥利の一言につきます。

副病院長時代に司町から現在の柳戸に大学病院を移転することになり、当時の病院長とプロジェクトを組んで活動しました。新しい病院に移転するため、古い病院を空っぽにしなければならず、近隣の病院に入院患者さんの受け入れのお願いをしに回りました。

病院長時代は、新しい病院の建設などにかかった年間数十億円もの借金をどのように返済し、どのようにして病院経営を成り立たせていくかが大変でした。医療というのは保険診療制度で縛られており、この制度の中で病院を経営していけば、ある程度の収益をあげられる構造になっています。以前の大学病院は経営に疎く、収支の細部までは把握できていませんでした。そこで、民間病院と同様の収支計算書を作成し、外部の公認会計士に経営のアドバイスをもらいながら、どの部分で収益をあげているのか、どの部分が弱いのかを明確にし、病院の経営に活かしてきました。


■ 学長としての抱負

森脇教授

本学は『学び、極め、貢献する』がモットーです。学び・極めることは大学として当たり前のことですが、どのように貢献するかが肝要です。本学は地方大学ですので、まず地域に貢献し、その上で全国や国際的に貢献することが大事かと思います。

岐阜県下5医療圏(岐阜・西濃・中濃・東濃・飛騨)における、本学を卒業した医師の勤務実態の動向を見ると、岐阜・西濃・中濃医療圏で多く、東濃・飛騨医療圏では少なくなっており、県下全ての医療圏に貢献することが望まれています。地域医療に貢献できる人材育成を目的とした地域枠入学者の初の卒業生が、2014年3月に10名卒業しました。2015年は15名が卒業し、2016年からの8年間は25名ずつ卒業しますので、10年間で225名もの学生が巣立っていきます。これらの学生を医師としてしっかり養成し、地域医療医学センターで上手に配分してもらう予定でいます。

大学全体を見ると、国際貢献度が高い応用生物科学部や中部地方の産業に欠かせない工学部があります。 特に金型創成技術研究センターは、自動車産業に大きく貢献していると思います。また、地味な印象があるかもしれませんが、本学は伝統的に土木系に強い大学です。中部国際空港の設置場所や中部地方の高速道路網の配置を提言してきたのは、加藤 晃 元学長(1989年6月~1995年5月)ですし、地震研究で著名な杉戸 真太 理事がいらっしゃいます。 受験生へのアピール不足や受験産業に合致しない面があるかもしれませんが、5年先10年先を見据えた研究や活動を行っていますので、私の学長としての任期が終わる頃には、更に大きな成果を上げ、中部地方に大きく貢献していると思います。


■ 次世代へのメッセージ

森脇教授

大学での研究は論文を書くことが究極の目的です。例えば、医学研究の場合は、人の役に立つということも目的にしなくてはなりません。創薬を考えたとき、論文を書くための研究が1割だとすれば、残りの9割は論文にならないような研究をしなければなりません。論文成果主義の昨今では、評価されにくいかもしれませんが、論文になる研究だけに目を向けていてはならないと思います。

岐阜大学はバラエティに富む人材が集まっているところです。実践力が強い学問や研究を行っています。社会に貢献したい志を持っている方は、ぜひ本学に入学してください。一緒に勉強し、卒業後も大学で研究したり、社会に出ても頑張ることができる人に入学してもらいたいですね。


《最終講義 開催風景》
会場の様子 最終講義 花束贈呈



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