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VOICE -岐大医学部から- 退職教授からのメッセージ

石塚 達夫 教授

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『VOICE-岐大医学部から-』第57回は、平成26年3月をもって退職される医療管理学講座 総合病態内科学分野 教授 石塚 達夫先生にお話を伺いました。

■ 教員生活を振り返って

石塚教授
略 歴
1975年 岐阜大学医学部 卒業
1978年 金山病院 内科医長
1979年 岐阜大学医学部附属病院第三内科 助手
1988年 南フロリダ大学 留学
1994年 岐阜大学医学部 助教授
1999年 岐阜大学附属病院 総合診療部 教授
2004年 岐阜大学大学院医学系研究科 総合病態内科学分野 教授
2014年 3月をもって定年退職

医学部を卒業した3年後、金山病院(現 下呂市立金山病院)に勤務しました。金山病院は山間部の地域総合病院だったので、内科全般の診療をはじめ、小外科も救急外来も行わなければなりませんでした。勤務期間は1年間だけだったのですが、その中で休むことができたのは年末年始の2日間だけで、毎日が当直勤務のようなものでした。今の時代なら、皆が逃げ出してしまうかもしれません。医師は耐えることも必要なんだと感じ入りました。多忙な毎日を過ごしながらも、内視鏡検査や血管造影検査のイロハを教えてもらい、勤務している医師達と幅広く交流することができました。

大学病院に戻り、病棟医長として勤務するようになってからは、金山病院での色々な経験と勉強が大いに役立ちました。当時のナンバー内科は、現在のように専門が細分化されておらず、受け持った患者さんは、その診療科で診断し治療をしていましたので、勉強した内視鏡検査や血管造影検査を導入し、診断に役立てることができました。これらの経験が、臨床医としての大きなステップになったと思います。

卒業後10年経ってから生化学教室の門を叩き、学位論文でもテーマにした膵臓の研究を行いました。膵臓は、インスリンなどのホルモンも分泌し、アミラーゼなどの消化酵素も分泌する形態学的に非常に興味深い臓器です。大学では、分子生物学的な方法でアミラーゼの分泌機構を研究し、留学先ではインスリンとタンパク質リン酸化酵素の関係性を研究しました。

総合診療部の設立当時は病床もなく、1人で診療を担当していたので、とても大変でした。設立の翌年には常勤の医師が3人になり、現在の大学病院に移転後、4つの病床を持つことができました。しかし、医師が少なかったので、教授になってからも当直業務に従事していました。病床を持たないと研修医が研修できません。医師が育たないと疲弊してしまいます。現在は、担当する病床も12に増え、年に1,2人の優秀な研修医が入局してくれるようになったので、関連病院にも医師を派遣できるようになりました。総合内科学の礎を築くことができたのではないかと思います。


■ 総合病態内科学の魅力は?

石塚教授

内科診断の醍醐味だと思います。現在の内科診断学では、問診だけで7割は診断ができます。あとは採血などの検査を行い診断するのですが、それでも7割が8割に増えるだけです。残りの2割は画像診断を駆使し、入院でしかできない検査を行いながら患者さんの状態を確認し、診断しなければなりません。

例えば、不明熱で受診する患者さんの約50%は感染症に罹っています。25%ぐらいは膠原病の方が多いです。ですから、総合診療医は、感染症の勉強もリウマチや膠原病の勉強もしなくてはなりません。腫瘍で熱が出ることもありますので、その勉強もしなくてはなりません。浅く広い診療をしていると、医師のモチベーションは下がってしまいます。患者さんを診ながら、自分に足りないところをもっと勉強しなくてはというモチベーションが優秀な医師を育てるのだと思います。

総合診療は、地域医療のキーポイントになると思います。地域枠推薦入試で入学し、卒業した学生を育てるプランが重要です。2年間の臨床研修制度の例として、総合診療部で1年間研修し、半年は中小規模の病院、残りの半年は診療所ないし保健所で研修を行ってもらうようなプログラムを考えてきました。

第19番目の基本診療領域の専門医として、総合診療医が厚生労働省に認められました。現在は、専門医を養成するための案を日本病院総合診療医学会と日本プライマリ・ケア連合学会で作成し、2017年の卒業生からスタートできるように考えています。


■ 次世代へのメッセージ

石塚教授

内科に限らず、診断をすることは医師の醍醐味と言えるかもしれません。ただ、そのことを忘れてしまった医師が多くいるのではないかと感じることがあります。一つの狭い分野だけで満足してしまい、総合的な診断が下せなくなってしまっているのではないでしょうか。患者さんの話に耳を傾け、基本に戻って診療に当たってほしいと思います。

勉強ができるから医学部に進学するというスタイルは、やめるべきだと思います。病んでいる人をしっかり診断して、治療できるような医師になりたいという発想でいてほしいです。その発想を根底に、普段の勉強に取り組んでもらいたいです。勉強ができるから医師になるという考えでは、将来的に患者さんのための医師になれる確率が非常に低くなると思います。


《最終講義 開催風景》
最終講義 会場の様子 花束贈呈



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