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VOICE -岐大医学部から- 小児病態学分野からのメッセージ

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『VOICE-岐大医学部から-』第56回は、2013年11月に就任されました、医学系研究科 分子・構造学講座 小児病態学分野 教授 深尾 敏幸先生にお話を伺いました。

■ 医師になられたきっかけは?

深尾教授
略 歴
1985年 三重大学医学部 卒業
1989年 岐阜大学大学院医学研究科 修了
1993年 岐阜病院新生児センター部医長
  岐阜大学医学部 助手
2000年 クイーンズランド医学研究所 研究員
2002年 岐阜大学医学部 講師
2004年 岐阜大学医学部 助教授
2007年 岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科 教授
2013年 11月より現職

高校3年生の初めに『がん』を取り上げた本を読み、『がん』はどういう性質なのか、なぜ『がん』になるのかと、その当時に解明されつつあった『がん』に関する内容に触れ、医学に興味を覚えました。それまでは理科の先生になりたいと思っていましたが、高校3年生の夏休みに医学部に進学することを決めました。

医学部に入学し、病院実習でいろいろな診療科を回る中で、自分は性格的に外科系には合わないと感じ、内科系の診療科を選択することにしました。その中でも、子供の病気と向き合いたいと思い、あまり迷うことなく小児科医になりました。

『がん』に対する興味は今でもありますが、なぜか、小児の白血病や脳腫瘍といった『がん』に関わる病気とは違う病気を専門に選んでしまいました。


■ どのような研究を行なっていますか?

先天代謝異常症の診断と病態解析を、大学院生の頃から研究しています。

先天代謝異常症とは、生まれながらにして特定の酵素がないために起こる疾患群で、脂肪酸代謝異常症、有機酸代謝異常症を中心に研究をしてきました。その中でもケトン体代謝異常症をメインテーマに研究しており、世界中から診断の問い合わせなどをいただいています。

これらの疾患は、体が酸性に傾いて調子が悪くなってしまうアシドーシス・低血糖・高アンモニア血症をきたし、非常に危険な状態になりますので迅速に処置しなくてはなりません。

先天代謝異常症は、以前は診断はできるが治療法がない疾患が多いと言われていましたが、現在では欠乏している酵素を投与する治療法があったり、異常はあってもそのタンパクを安定化させる治療法があったりと、この数年で治療法の選択肢が増えてきて、治療できる病気になってきています。もちろん遺伝子を変える遺伝子治療が究極的な治療ではありますが、研究段階のマウスで上手くできても、人間では難しいのが現状です。

深尾教授

岐阜県では、19種類の先天代謝異常症を検査できる『タンデムマススクリーニング』を2012年から実施しています。病気になる前の段階や重篤化する前の新生児期に病気を見つけて、発症の予防や重症化しないようにすることが可能になってきています。

また、免疫不全症やアレルギーの研究にも取り組んでおり、アレルギーを予防する研究を進めていきたいと考えています。


■ 教室をどのように盛り立てて行きたいですか?

内科は臓器や病気の種類によって診療科が分かれていますが、小児科は小児の病気に関するすべてを担当する総合診療科のため、どのような患者さんでも一定のレベルで診ることができないといけません。しかし、小児科の中でもいろいろな専門分野がありますので、それぞれの専門家が助け合って診療を行ないます。

10人の小児科医がいれば、10人が別々の専門家であることも珍しくはありません。そういう意味では、若い医師であってもアイデンティティを持ちやすいかと思います。

ジェネラルな診療だけでなく、1つでも専門分野(サブスペシャリティ)を持つことにより、診療や研究で他の医師から頼りにされ、生き生きと診療に当たれるのではないかと思います。

小児科は忙しくて大変だというイメージがあると思いますが、小児科医を増やし、このような状況を減らせば、医師のQOLも上がり診療や研究のレベルも上がります。スタッフの人数に限りがあるので大変ですが、それぞれの専門性を活かした活動ができるようにサポートしていきたいと考えています。


■ 医師を目指す学生にメッセージをお願いします

深尾教授

医師臨床研修制度の2年間で各診療科を回り自分の専門を決めますが、受け身の状態でその期間を過ごすのは非常にもったいないと思います。楽をしようという気持ちを持たず、将来の希望に向けてどのように研修を受けたらよいかを考えることが大事かと思います。

医師は患者さんの状態によって、頑張らなければならない状況が絶対ありますので、自分はこれだけ頑張れるんだという経験を積んで欲しいです。そのためにも、自分が成長できるような研修施設を選んでもらいたいです。

小児科医は忙しくてもニコニコしている方が多いです。それは、子供達を診ていると元気を貰えるからだと思います。小児科医を目指して、医学部に入学した学生が少なからずいると思います。是非、入学当初の気持ちを大切にして、小児科医の道を選んで欲しいと思います。



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