岐阜大学医学系研究科・医学部


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VOICE -岐大医学部から- 退職教授からのメッセージ

清水 克時 教授

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『VOICE-岐大医学部から-』第45回は、平成25年3月をもって退職される病態制御学講座 整形外科学分野 教授 清水 克時先生にお話を伺いました。

■ 教員生活を振り返って

清水教授
略 歴
1948年生まれ、専門は脊椎脊髄外科。
1973年京都大学医学部卒業。1974年ECFMG合格。京都大学医学部附属病院研修医、島根県玉造厚生年金病院、北九州市小倉記念病院、米国メイヨークリニック整形外科留学。京大助教授を経て1996年から岐阜大学医学部教授。2013年3月をもって定年退職。
日本整形外科学会理事(2005-2009年)、日本脊椎脊髄病学会理事(2001-2007年)、国際整形外科学会(SICOT)日本代表(2006-2011年)、WHO ICD-11改訂委員会筋骨格系副責任者、日本小児整形外科学会理事長。

韓国の忠北大学医学部との国際交流が思い出深い出来事の一つです。ある国際学会に参加した時に忠北大学医学部のKim整形外科教授が声を掛けてくださって、私の診療を見学したいとの申し出がありました。本学にお招きし、2週間ほどの滞在期間にKim教授の行動を観察していると、病院実習に来た学生を連れ出して一緒に食事に行ったりして、学生に対するKim教授の思い入れが強いことがわかりました。自分自身のことを振り返ってみると、Kim教授のように学生と親密に接していなかったのではないかと思い、海外視察の助成金をいただいたことを機会に、7名の学生を連れて忠北大学へ視察に行きました。Kim教授や忠北大学医学部長から大歓迎を受け、2009年には本学部との交流協定を締結することになりました。この交流は、研修医などの若手医師も参加し学術的な交流も行っています。学生にも交流が浸透しており、双方の大学でクラブ活動のようになっています。私が退職するにあたり、交流が終息してしまうのではないかと危惧した学生が、自発的に学部長へ交流の魅力をプレゼンテーションしたことによって、引き続き交流を行えるようになりました。

私は脊椎外科を中心に脊椎短縮術に心血を注いできました。脊椎短縮術とは、脊椎の中にある神経の連続性を保ったまま、骨を切除して短縮固定する手術です。最初に手がけたのは、骨巨細胞腫の小児の患者さんでした。ヒトの腰椎は通常5つから出来ていますが、この患者さんには6つの腰椎があり、その6つ目の腰椎が腫瘍に侵されていました。腫瘍に侵された腰椎を切除し仙椎と固定すれば骨移植が不要になり、固定する範囲も短くて済みます。この手術を他の病気にも応用しようと考え、二分脊椎症や先天性側湾弯症にも適用してきました。現在は骨粗鬆症による椎体骨折への適用が、この手術の8割を占めています。


■ 整形外科学の魅力は?

清水教授

医学生時代の割と早い時期に外科系に進もうと考えるようになり、臨床実習を重ねていく中で、外科系の中でも機能再建外科に興味を持ちました。患者さんが何かを握れるようになる、歩けるようなる、声を出せるようになるといった目標を設定して、それを達成できたときに患者さんと喜びを共有できることに気付いたからです。最初に興味を持ったのが、耳鼻科で行われる鼓室形成術といわれる手術で、耳小骨をマイクロサージャリー(顕微鏡を使った手術)で形成し、耳を聞こえるようにするものでした。しかし、部活動の先輩の勧めもあって整形外科に進み、マイクロサージャリーが行える手の外科を専門にしていましたが、割と年齢を重ねてから脊椎外科に専門をスイッチしました。

整形外科は自分の興味にフィットしたことを見つけられる幅広い分野だと思います。マイクロサージャリーもありますし、大きな手術をしたいのであれば関節外科や脊椎外科があります。命を救う仕事がしたいと思うならば、骨肉腫などを治療する整形外科領域の腫瘍学があります。手術以外にも機能回復を担うリハビリテーションの道もありますし、リウマチの薬物療法の道に進むこともできます。必ず自分が希望する分野を見つけられると思います。


■ 次世代へのメッセージ

清水教授

スイッチングできることが大事です。最近の傾向として、専門から外れると何もできない医師が増えていると思います。それは、その人の可能性を小さくしてしまいます。専門家を目指すことは大切ですが、専門家であっても、専門以外の事に幅広い視野を持ち、いつでもスイッチングできるようなスタンスが重要です。

私は手の外科から脊椎外科にスイッチしました。脊椎外科のトップの先生が人柄・技量ともに非常に魅力的な方で、その先生の下で勉強をしたいと思っていました。偶然、脊椎外科の二番手のポストが空き、自分の専門を変えてもいいと思えるほどのチャンスでしたので、手の外科から脊椎外科にスイッチし現在に至っています。

人生の大きなチャンスは、一生に一度か二度しか来ないと思います。自分の目指していることとは少し外れているチャンスが来たときに、自分には関係ないとそっぽを向いてしまうと、チャンスを掴むことができません。自分が目指しているところとは少し違うけれど、やってみようとする積極的な行動が、大きなチャンスを掴むのです。

専門家を目指しつつ、専門以外のところにもめっぽう強い専門家になってください。難しいかもしれませんが、ちょっとしたスタンスの違いだけです。それが人生を面白くするコツだと思います。


《最終講義 開催風景》
会場の様子 最終講義 花束贈呈



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