岐阜大学医学系研究科・医学部


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VOICE -岐大医学部から- 地域看護学分野からのメッセージ

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『VOICE-岐大医学部から-』第36回は、2012年4月に就任されました、医学部看護学科 地域・精神看護学講座 地域看護学分野 教授 石原 多佳子先生にお話を伺いました。

■ 保健師になられたきっかけは?

石原教授
略 歴
1978年 愛知県立看護短期大学 卒業
1979年 岐阜県立衛生専門学院保健学科 卒業
保健師として岐阜市中央保健所保健予防課に勤務
1984年 岐阜大学医学部付属看護学校 非常勤講師
1990年 佛教大学社会学部社会福祉学科 卒業
1992年 中部女子短期大学 講師
1997年 中部学院大学短期大学部 助教授
2000年 岐阜大学大学院教育学研究科 修了
2001年 岐阜大学医学部看護学科 助教授
2007年 金沢大学医学系研究科後期課程 修了
2012年 4月より現職

何か手に職をつけようと思い、身近な存在であった看護師を目指していました。

しかし、当時は保健師がいない市町村も多く、疾病の予防に関わることもおもしろいと思い、保健師として就職しました。

看護師の仕事は入院されていた患者さんが退院されるなど、日々変化や改善がみられる場面に接することもありますが、保健師の仕事はもともと健康な人を対象にしているので、看護師ほど自分のしたことが目に見えて現れるわけではありません。そうした中で、自分のしていることはこれで良いのだろうか、と迷いながら働いていました。


■ 教員になられたきっかけは?

保健師として働いていましたが、出産を機に保健師を辞め、その後は子育てをしながら自分の力を生かせる非常勤講師としていくつかの学校に勤めました。

その後、平成13年に岐阜大学に4年制看護学科が新設されると同時に岐阜大学に赴任することとなりました。

岐阜大学の学生は、素直で聡明という印象があります。実習や授業でグループで学習するときも、受け身の授業ではなく、1つヒントを出されたら皆で意見を出し合い、自分たちで点を結び付けて線に、そして面にしていくような力があると思います。こうした姿勢はこれからも大切にしてほしいです。


■ どのような研究を行なっていますか?

現在は、訪問看護ステーションに関する研究をしています。 看護に関する研究は、現場と密接に繋がり、役立たせていくことが大切だと考えています。そのため、1つのテーマを長い期間を費やして突き詰めていくというよりは、その時代に合わせて現場で悩みとなっていること・してみたいことをフィールドに出て、現場の方たちと追求していくのが私の研究スタイルです。

訪問看護ステーションは、看護師が在宅で療養されている方を訪問し、その方や介護者に必要な看護や助言などを行っています。近年は、病院の入院期間が短くなっており、医療依存度の高い方も在宅で療養するケースが増えているため、こうしたステーションの必要性は非常に高まってきています。

しかしながら、在宅看護論自体が平成8年に新設された教科であり、訪問看護ステーションも同様に歴史が浅いため、医療福祉従事者にも浸透しておらず、社会での認知度も低く制度等が整備しきれていない状況です。

岐阜県では常勤職員3人程度で経営している小規模な訪問看護ステーションが多いのですが、療養者さんの変動によって収入が大きく変わるため、独立採算の訪問看護ステーションはなかなか収益を上げることができず、経営が成り立たなくなり閉鎖を余儀なくされることも多いのです。また、訪問看護とホームヘルパーとの区別がつかない方も多く、このような背景も利用者数の伸び悩みの一因ではないかと考えています。

私が大きな問題であると考えているのは、求人募集をしても人が集まらず、さらに離職率も高いことです。この離職率を少しでも低くするため、ステーションの方々と業務分析や労働環境の見直しを行ったり、新人職員研修(1・3・6ヶ月研修)の検討を行っています。

一昨年、この状況を少しでも改善するため、看護協会の方々と『訪問看護って何?』というパンフレットを作成し、公共の施設や病院等に置かせていただいたりホームページを立ち上げる活動も行いました。

制度の充実に関しては国の動向次第ですが、訪問看護ステーションの認知度を上げることや、研修システム等をモデル的に整備し、少しでも長く働きやすい環境を作ることが出来ると思います。今後も社会の状況に柔軟に対応しながら、岐阜県の看護がより良いものになるようにしていきたいと考えています。


■ 看護師・保健師を目指す学生にメッセージをお願いします

石原教授

病院や在宅で関わる患者さんは、基本的に弱い立場であるということを忘れないで欲しいと思います。私も入院した経験がありますが、病院の中では医師や看護師に「お世話になっている」という気持ちがあるので、言いたいことが喉まで出かかっていたとしてもなかなか言うことができません。忙しくても患者さんの気持ちに寄り添った看護をしてほしいと思います。

また、地域の医療に携わる中で家庭を訪問することもあるかと思いますが、私たちは家庭の外から入ってくる人間であり、その家庭の方に受け入れていただかなければ何もすることが出来ません。そのためにも、自分が接する方々をありのままに受け止める姿勢が必要です。押しつけではなく、その方々と一緒に考えて在宅の生活を支えるパートナーのような存在になれるよう心がけて欲しいと思います。



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