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VOICE -岐大医学部から- 高次神経形態学分野からのメッセージ

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『VOICE-岐大医学部から-』第28回は、2011年8月に着任されました、医学系研究科 神経統御学講座 高次神経形態学分野 教授 山口 瞬先生にお話を伺いました。

■ 教室をどのように盛り立てて行きたいですか?

山口教授
略 歴
1991年 京都大学医学部医学科 卒業
神戸市立中央市民病院 臨床研修医
1997年 京都大学大学院医学研究科 修了
1998年 神戸大学医学部 助手
2001年 神戸大学大学院医学系研究科 助教授
2011年 8月より現職
高次神経形態学分野Webページ

世界をリードするような研究を行いたいと考えています。

その際に大事なことは2つあると思っています。1つは、何を目指すか見誤らないこと。もう1つは、少数でも世界と戦える人材を集め育てることです。

基礎系の教室にはなかなか大学院生が集まりませんが、良い研究や仕事をするために、必ずしも沢山の人が必要だとは思っていません。少人数であっても意欲のある人が集まれば、十分に世界と戦っていけるチームを作ることができると思っています。

岐阜大学は、研究や教育に落ち着いて取り組める雰囲気があり、ありがたく思っています。


■ どのような研究を行っていますか?

主に体内時計の研究と記憶や学習のメカニズムの研究を行なっています。どちらも脳のメカニズムの研究です。

体内時計の周期は24時間より少し長いのですが、周囲の環境や光などによって微調整されると考えられています。

体内時計は脳の視床下部にある視交叉上核に存在することが分かっていましたが、それ以上なかなか研究が進んでいませんでした。ところが90年代後半に体内時計に関する遺伝子が見つかり、そこから世界中の研究者の間で激烈な競争が始まりました。

我々は、体内時計のリズムを作り出している大本の遺伝子とルシフェラーゼというホタルの発光遺伝子をつなぎ合わせて、体内時計の動きに合わせて光ったり暗くなったりするマウスを開発しました。つまり体内時計が何時なのか見た目で分かる手法を開発したのです。

可視化することによって、今まで捉えることのできなかった現象も観察できるようになり、新しい発見に繋がっています。

山口教授

ヒトは記憶することや学習することを当たり前のように行っています。これらの活動には脳の海馬という部位が重要であることが分かっています。

しかし、海馬が具体的にどのようなメカニズムで働いているのかは解明されていません。記憶や学習に関する脳のメカニズムは基礎医学に残された最大の謎と言われています。

我々は、記憶や学習に関係するArc遺伝子(神経活動に伴って一時的に発現するタンパク質の遺伝子)を使って、記憶や学習をした時に働いている神経細胞を蛍光タンパク質で光らせて可視化し、記憶や学習のメカニズムに迫ろうとしています。

脳研究の分野では圧倒的にアメリカが強く、物や人材などが日本と比べ物にならないくらい豊富で、単なるスピード競争ではアメリカに勝つことは至難の業だと思います。しかし、日本の産業やものづくりとも共通することですが、研究のための新しい手法や優れた技術を編み出していくことが、最終的に世界をリードすることに繋がると思っています。


■ 臨床医ではなく、基礎研究の道に進まれたきっかけは?

医学部の学生の頃から基礎医学の道に進みたいと思っていました。当時は、基礎研究の道に進む人が今よりは多くいました。

母校の大学では、基礎医学の分野で世界的な研究をしている先生が数多くおられ、その先生方の授業や研究に触れたことが、『世界をリードするような研究をしたい』という気持ちに繋がっているように思います。

また、基礎医学に残された最大の謎である、記憶や学習のメカニズムにチャレンジしたいという気持ちもありました。

臨床医になることを全く考えていなかったわけではありませんが、基礎研究に携わるようになり中途半端にはできないと思い、臨床の場からは遠ざかってしまいました。


■ 医師を目指す学生にメッセージをお願いします

山口教授

難関を潜り抜けてきた岐阜大学医学部の学生さんの中には、世界的な基礎医学研究を十分に行なえる能力を持った方が埋もれていると思います。

大学を卒業してすぐに研究者になる道もありますが、私のように研修医を経験してから基礎研究に進む道もあります。自分の能力や適性を決めつけないで、広い視野を持っていただきたいですね。

臨床医を目指される方が多いと思いますが、どんな分野であっても『この分野ならば世界の誰にも負けない』ことを目指してもらいたいと思います。



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