岐阜大学医学系研究科・医学部


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VOICE -岐大医学部から- 生命機能分子設計分野からのメッセージ

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『VOICE-岐大医学部から-』第25回は、2011年4月に着任されました、再生医科学専攻 再生工学講座 生命機能分子設計分野 教授 大沢 匡毅先生にお話を伺いました。

■ 教室をどのように盛り立てて行きたいですか?

大沢教授
略 歴
1986年 千葉大学理学部 卒業
1988年 千葉大学大学院理学研究科 修士課程修了
キリンビール医薬探索研究所 研究員
1991年 理化学研究所筑波ライフサイエンス研究センター 嘱託研究員
1997年 筑波大学医学研究科博士課程 医学博士号取得
2000年 理化学研究所発生再生総合研究センター 幹細胞研究グループ 研究員
2007年 ハーバードメディカルスクール 皮膚科 助教授
マサチューセッツ総合病院 皮膚科学研究センター 研究主任
マサチューセッツ総合病院 再生医療研究センター 研究主任
2011年 4月より現職

世界レベルの基礎医学の研究を目指しています。

基礎医学の中でも幹細胞の研究をしており、幹細胞の研究をしっかり行えば、再生医学への応用も可能になってきます。

軸足を基礎研究においていますが、そこから人の役にたつような医学的応用ができる種を出していくことが使命だと思っています。


■ 基礎医学研究の道に進まれたきっかけは?

幼少の頃から動物が好きで生物にとても興味がありました。一時は、動物園の飼育員になりたいとの思いから獣医になろうと考えていたのですが、高校の先生から基礎研究の魅力を聞き、基礎生物学研究を志し理学部へ進学しました。

現在は、理学系と医学系が融合して生物医科学研究が盛んに行なわれていますが、私が学生の時は理学系と医学系がそれぞれ独自に研究を行って、両者に接点がありませんでした。その当時から学部間の基礎研究のギャップを埋めることができればと考えていました。

大学院在学中の時から自分の研究を人の役に立てようと考えるようになり、卒業後はキリンビール医薬探索研究所の研究員として、エリスロポエチン・スロンボポエチン・G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)などの薬剤開発に携わりました。これまでに、生物学研究、基礎医学研究や、それらの産業的応用といろいろな経験をしてきました。


■ どのような研究を行っていますか?

大沢教授

幹細胞の研究を行っています。その中でも皮膚の色素の幹細胞・皮膚自体の幹細胞・血液の幹細胞の研究を3つの柱として研究しています。

髪の毛や皮膚や血液など色々な組織は幹細胞システムに基づいてできています。未分化の幹細胞が分裂分化することによって新しい細胞を作り、新陳代謝を正常に保っているのですが、このシステムがどのように制御されているのか、まだ解明されていません。

幹細胞の数は非常に少なく、健康な状態では新陳代謝に必要な分だけ増殖しますが、大量出血をした場合は、血液を補おうと幹細胞がものすごい勢いで増殖されます。マウスの実験では、血液疾患モデルマウスに1個の幹細胞を移植するだけで、そのマウスの一生涯を維持できる能力があるほどです。

『がん』は幹細胞の病気であると考えられているところもあります。幹細胞レベルで遺伝子変化が起こり、その結果、細胞が『がん』になってしまうという考えです。また、最近では老化が幹細胞の性質の変化によって起こることも分かってきました。

幹細胞を使って病気を直そうとするのが再生医療の根本的なことなのですが、その一番の問題点は、幹細胞は非常に複雑なメカニズムで制御されており、体内の環境が必ず必要なので、体外に出した場合は幹細胞として使えなくなってしまうことです。再生医療を実現するためには、幹細胞を体外で操作する技術を開発することが必要です。

色素細胞は、皮膚や毛に色を付ける働きがあります。加齢によって白髪になるように色素細胞の幹細胞は途中でなくなってしまうことがあります。ある意味、重要な幹細胞ではありませんが、色素細胞の幹細胞がなくなると白髪になるというシンプルな性質は幹細胞研究のモデルとして好都合です。この性質を利用して、たくさんの遺伝子変異マウスから白髪マウスを探すプロジェクトを進めています。白髪マウスが見つかれば、それは色素細胞の幹細胞になにか重要な役割を持っている遺伝子が変異していると予想されます。その遺伝子がどのような役割を持っているかを調べれば、幹細胞の制御メカニズムを知ることができます。その結果を基に医学的に重要な別の幹細胞のメカニズムを探すことが私の研究のストラテジーです。

人間は死ぬまで新陳代謝されています。幹細胞は新陳代謝に関わっていますので、人間の寿命より長生きできるような特殊なメカニズムがあると考えられます。それを解明して、再生医療に応用することを目標に研究を行なっています。


■ 医師を目指す学生にメッセージをお願いします

大沢教授

医師のあり方には色々あると思いますが、自分はどういうことを目指しているのか?医療を通じて何をしたいのか?を目標に定めることが重要だと思います。

アメリカでは目的意識をとても早いうちから持ち、そのために最大限の努力を惜しみません。

自分はこうなるんだといった明確な意思を持つことが大事だと思います。例えば、過疎医療に取り組むとか、世界一の外科医を目指すとか、子供に優しい医師を目指すとか、基礎医学研究に進むとか、どのような道を目指すにしても、明確な自分のビジョンを持つことがとても重要だと思います。目的に向かって突き進む人は強いです。

できるだけ早いうちに自分の目標を見つけ、まっしぐらに進んでもらいたいですね。



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